第60回グラミー賞での、ラッパーのロジック&アレッシア・カーラ&カリードのパフォーマンスに、会場から大歓声があがった。(フロントロウ編集部)

ラストのスピーチに拍手喝采

 ニューヨークで開催された第60回グラミー賞で、年間最優秀楽曲と最優秀ミュージック・ビデオの2部門にノミネートされていた、ロジック feat. アレッシア・カーラ&カリードの「1-800-273-8255」。残念ながら受賞は逃したが、アワードではパフォーマンスを披露した。

 「1-800-273-8255」は自殺防止について訴えかけた楽曲で、曲のタイトルとなっているこの番号は、アメリカの自殺防止ホットラインの電話番号。そんな曲のステージに、ロジックは黒いフーディーを着てステージに登場。そのフーディの胸元にはこの電話番号が書かれ、背中には「YOU ARE NOT ALONE(君は一人じゃない)」とメッセージが書かれていた。

 今回のグラミー賞で見事最優秀新人賞を獲得したアレッシアも、「GIVE US HOPE(希望をください)」と書かれたTシャツを着用。最優秀新人賞にもノミネートされていた若手シンガーのカリードもステージに登場すると、背後からも白いTシャツを着た人たちがステージに加わった。じつは彼らは、自殺未遂を図って命が助かった人や、大切な人を自殺で失った人たち。“自殺”というものを身近に体験し、それを止めたいと願う人たちだ。

画像: ラストのスピーチに拍手喝采

 そんなパフォーマンスの最後にロジックが、「黒は美しい」と力強く語りかける。続けて、「憎しみは醜い。俺が今まで出会った男性よりも女性たちはみんな強く、そして同じぐらい大切な存在なんだ」と話した。

 さらに、「文化や多様性、そして何千年もの歴史を持つ美しい国々、君たちは腐った国なんかじゃない」と、トランプ米大統領が特定の国のことを「腐った国」と表現したことについても言及。この部分はもともと「君たちは美しい」というはずだったものの、直前で「腐った国」に直したという。

 「俺たちが起こそうとしている変化への準備ができず、不公平で不平等な世の中で、平等になるように戦っている人たちのために言う。助けを求めて疲れ果てた貧しい移民の人たちを連れてきてほしい。より良い世界だけでなく、団結する世界をみんなでつくろう」と、壁を作るのではなくなくそうと感動的なスピーチを披露し、会場からは割れんばかりの拍手が送られた

 ロジックは過去に離人症性障害を発症し、生きた心地がしなかったと明かしている。そんな彼が歌う「1-800-273-8255」は、「もう生きたくない/今日死にたい」と胸の内を明かしながら、「辛いけど、頑張って生きていこう」と少しずつ生きる希望を見つけ、前へ進んでいくという名曲。

 今回のパフォーマンスは、「思わず涙が出た」と感動する人が続出し、第60回グラミー賞でも大きなハイライトの1つとなった。(フロントロウ編集部)

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