キム・カーダシアンが「コーンロウ」ヘアに変身
批判が集まっている、キム・カーダシアンの新しいヘアスタイルとは「コーンロウ」。それまでプラチナ・ブロンドのストレートヘアだった髪からイメチェンし、「コーンロウ(Cornrows)」と呼ばれる編み込みヘアの毛先にビーズをあしらった個性的なスタイルにチェンジした。
しかし、このトウモロコシを彷彿とさせるこの編み込みヘア「コーンロウ」は、古くからアフリカ系の人々の伝統的なスタイルとして親しまれてきたもの。近年、三つ編みヘアや編み込みヘアがトレンドの1つとなっているが、非黒人が「コーンロウ」を取り入れることについては、「文化の盗用(Cultural Appropriation)<※>」にあたるか否かで激しい議論が交わされている。そんななか彼女の髪型を見た世間の一部の人々からは怒りの声が巻き起こった。
※ある民族の文化的要素を、その文化に属していない人たちが取り入れること。
これまでにも同様のヘアスタイルに挑戦した非黒人のセレブたちがバッシングの対象となってきたことを懸念してか、キムは、SNSでのイメチェン報告の際「Bo Derek Braid(ボー・デレク・ブレイド)」というコメントを添えて、このコーンロウヘアは、あくまでもベテラン女優のボー・デレクが1979年公開の映画『テン』で披露したヘアスタイルにインスパイアされたものであることを強調していた。
しかし、案の定、一部の人々からの怒りを買うこととなりバッシングが相次いでしまった。
これに対し、キムは「ハーイ、私の事は放っておいてもらえるかしら? よろしく」と、まるで電話で出前を注文するかのような写真を公開してクールに反応。この彼女の態度は、反対派の人々の怒りの炎に油を注ぐことに…。
ベテラン女優がユニークな方法で擁護
すると、数日を経て、この騒動にある女優が参入した。それは、キムから“お手本”として名指しされた女優のボー。彼女は自信おツイッターを通じてキムを擁護する姿勢を示した。
ボーは、「あれは私が映画『テン』の中でした単なるヘアスタイルの1つよ。キムが『ボー・デレク・ブレイド』と呼んでいるのは、私がしていたのと同じ編み方を真似たからというだけでしょ」とコメント。
さらに、キムのヘアを擁護しただけでなく、モデルとなった自分のヘアについて、「私は歌手のアン・マーガレットのラスベガス・ショーで見たバックダンサーの髪型を真似しただけ。そして、私たちはみんな、結局のところネフェルタリ王妃を真似ただけ。きっと彼女も嬉しく思っているはずよ」と続けた。
このツイートにボーは、自分とキムの写真とともに、古代エジプト第19王朝、第3代目のファラオ、ラムセス2世の第一王妃だったネフェルタリ王妃のミイラの写真を添付。
この髪型は、もとを辿れば、黒人女性や男性たちの定番ヘアとなるずっと以前の、古代エジプトの女性に由来したものだと主張した。
古代エジプトは、アフリカ大陸からやって来た黒色人種とユーラシア大陸からの白色人種が混ざり合った、複数の人種の血を引く人々による社会だったことが知られている。そして、当時、人種の区別ははっきりと存在していなかったことから、ネフェルタリ王妃の人種についても明らかになっていない。
そもそも、ネフェルタリ王妃がこの髪型をした史上初の人物かどうかも謎であり、ボーの主張は、この議論に決着をつける決め手とはならないが、ミイラの写真まで持ち出してきたボーの熱心さには、驚きの声が上がっている。(フロントロウ編集部)