白人が歌詞のなかにあるNワード使用に波紋
グラミー賞受賞シンガーであるケンドリック・ラマーが、音楽フェスHangout Festivalのステージでパフォーマンスを披露。
そこでケンドリックは、一緒に自身の楽曲「マッド・シティー」を歌うために、観客から白人女性のファンをステージに上がらせたのだが、この女性が“特定の歌詞”を歌ったことでブーイングの嵐に。
ケンドリックが曲を中断させる騒ぎに発展してしまった。
Kendrick Lamar - M.A.A.D. City (Feat. MC eiht)
www.youtube.comこの女性が発言したのは、黒人への差別用語として言われる「N」から始まる単語。
「Nワード」は、黒人以外の人種がこの言葉を使うと差別的にとらえられるため、暗黙の了解として、黒人以外はこの言葉の使用が避けられている。一方で、黒人同士では親しみを込めた人への呼び方として日常的に使われる言葉でもある。
また、歌詞にスラングやいわゆる“汚い言葉”が使われることが多いラップソングでは、黒人ラッパーによる楽曲であれば、この「Nワード」が頻繁に歌詞に用いられ、よく耳にする言葉であるのも事実。
Hangout Music FestivalさんはInstagramを利用しています:「A better way to make a wave @kendricklamar : @alivecoverage」
www.instagram.comそんな「Nワード」が歌詞に入っているケンドリックの「マッド・シティー」。これをファンの女性が、興奮のあまり歌詞の通りに歌ったところ大きな波紋を呼んでしまった。
これに対して、ケンドリックが曲を中断し、大勢の観客の前で女性に注意。「Nワード」を使ってしまったことに気が付いた女性は「ごめんなさい。いつもあなたの歌詞のままに歌っていたから…」と、すぐに謝罪。
賛否両論の意見
女性の謝罪でその場は収まったものの、一部始終を記録していた動画がネットで拡散されると、様々な意見が飛び交い物議を醸している。
「Nワードがたくさん入っている歌を白人に歌わせたのはケンドリック本人」「ファンに言ってほしくないなら歌詞に書かなきゃいいのに」「歌って聴くために音楽を作っているはずなのに白人だから歌えないなんてバカげている」といった、女性をかばう意見が寄せられている一方で、「ケンドリックのファンだからと言ってNワードを言っても許されるとは限らない」「男性が女性にビッチと言うべきではないように、Nワードが歌詞に入っていたとしても使うべきじゃない」といった意見も寄せられ、その意見は賛否両論。
事件のさなか、「ひと言だけピーすれば良かったのに」と言って女性をとがめたケンドリック。
「Nワード」という歌詞を歌っていいかどうかということはたびたび論争になっているが、今回、グラミー賞12冠のラッパーがそれにNOを呈した。
(フロントロウ編集部)