アメリカ・テキサス州出身のウェス・アンダーソン(49)は、大学時代に長編映画で監督デビューを果たし、2001年には『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、一躍注目される。
その後も、『ダージリン急行』や『ムーンライズ・キングダム』、『グランド・ブダペスト・ホテル』などで、とびっきりキュートで風変りな登場人物たちが織りなすさまざまな物語を描き続け、映画好きなら知らない人はいないという人気監督にまで上りつめた。
ここまで多くの人を魅了する、アンダーソン監督が手掛ける作品の魅力とは一体何? 見れば見るほどハマってしまう、監督の作る世界をご紹介。
ウェス・アンダーソン作品の世界観って?
アンダーソン監督といったら、一目見ただけでアンダーソン作品だと分かる徹底された世界観。そこには、撮影方法から音楽、色彩、ファッションやストーリーにまで共通したものがあった。
徹底されたカメラワーク
アンダーソン作品は左右対称な画面構成で有名。どのシーンを切り取っても、真正面、真横、真上、真後ろのアングルのみで撮影している。そのカットがずっと続くのに、観る者を飽きさせない演出や画づくりには脱帽。
細部まで考え抜いたこだわり
映画に一瞬だけ映り、よ~く目を凝らさないと見逃してしまうような小物にまで深いこだわりを持っているアンダーソン監督。特徴的な小物やファッションで、そのシーンの登場人物の関係性、心情、性格を表現しているのだそう。
さらに劇中で使う60~70年代の音楽や、作品の世界観で重要な役割を果たすファッションにもこだわりが感じられる。
愛着が湧く登場人物
アンダーソン作品に登場するキャラクターたちは、みんなどこかこじれていて風変り。だけど1人1人が愛くるしく、どのキャラクターが気に入ったか映画鑑賞後に話すのも醍醐味。さらにアンダーソン監督は、家族のテーマを扱うことが多く、どの家族も問題あり。そんな家族がだんだんと絆を取り戻す様子を描いている。
さくっとアンダーソン監督の作品の雰囲気を見たい人は、ひとまず特徴をまとめた動画をチェックしてみて。
アンダーソン作品の常連キャスト
アンダーソン監督は、一度気に入った役者は何度も起用することで知られており、大学の同期であるオーウェン・ウィルソンをはじめ、大物俳優や女優が常連キャストとして登場。ハリウッドの人気役者から絶大な信頼を寄せられている。
日本が大好き
アンダーソン監督といえば、生粋の親日家。日本を代表する黒沢明監督や宮崎駿監督の大ファンで、映画界だけでなく日本の芸術にも詳しいほど。最新作の『犬ヶ島』は、日本が舞台になっており、アンダーソン監督の日本への愛が詰まったものに仕上がっている。
最新作『犬ヶ島』がついに公開!
映画ファンが待ちに待っていたアンダーソン監督の最新作『犬ヶ島』が、ついに明日24日に公開される。今作は近未来の日本が舞台になっており、犬インフルエンザの流行により大量の犬が「犬ヶ島」と呼ばれる場所に隔離され、主人公の少年コバヤシ・アタリの愛犬も隔離されてしまう。そんな犬ヶ島を舞台に、アタリが出会った犬5匹と愛犬を探す壮大な旅を描いている。
予告編を見てもらえばお分かりの通り、下町風の商店街や架空都市”メガ崎”という言葉に続く日本語の数々、そして相撲や浮世絵といった伝統的な日本のカルチャーが描かれている。
さらに日本からも夏木マリや渡辺謙など、豪華すぎるほどのキャストが参加しているのも注目ポイント。
魅力がたっぷりで、何度見ても新たな発見がウェス・アンダーソン監督の作品をぜひチェックしてみて。