アメリカで起きたあるレイプ事件の裁判で歴史を変えるような「判決」が下された。

被害者のことを考えた判決

 今から約16年前の2002年、当時14歳だった被害者のホープ・チェストンは友人が暮らすあるアパートを訪れた際に、セキュリティを務めていた当時22歳の男性からレイプ被害にあった。

 加害者にはすでに懲役20年の判決が下されているが、つい最近、この加害者が勤務していたセキュリティ会社、加害者の派遣先であったアパートとそのアパートの運営をしていたマネジメント会社の三者と、被害者のホープとのあいだで行われていた裁判についに決着が。

画像: 左からホープの母、彼女の弁護士、そしてホープ本人。

左からホープの母、彼女の弁護士、そしてホープ本人。

 裁判所が下した判決は、加害者が勤めていたセキュリティ会社の過失を認めたうえで、同社に賠償金約10億円の支払いを命ずるという、被害者であるホープに100%寄り添ったものだった。この10億円という金額は、これまでアメリカで起きた性犯罪事件の被害者に支払われた賠償金のなかでも最高額に値すると言われている。

 この判決に、「ある意味ショッキングだったけど、すごく美しい瞬間だった。人間の真の親切心を見せてもらった」と法廷で感謝の言葉を口にしたホープは、後日発表した声明文のなかで、「(賠償金の額に関係なく)あなたにはそれ以上の価値がある」と陪審員の1人から言われたことを明らかに。

 実際のところ、賠償金の支払いを命じられたセキュリティ会社に10億円も支払うほどの経済力はないという。しかし関係者は、将来的に賠償金が全額支払われるどうかは別として、裁判所が“これほどの賠償金を受け取るだけの価値が被害者にはある”と、この賠償金の額を通じて示したことに意味あるのだと米Washington Post誌に語った。

 ちなみに、こういった性犯罪事件の被害者の名前は伏せるのが普通だが、ホープ自身が自らの名を公表したため、どのメディアもこの事件と判決に関するニュースを実名で報道している。

 

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