現地時間の5月31日にアメリカ西部の山岳地域にあるワイオミング州のジャクソンホールで『Ye』のリスニングパーティを開催したカニエ。
会場にはナズ、ファボラス、キッド・カディ、2チェインズ、タイ・ダラー・サイン、プッシャ・T、デザイナーらの錚々たるラッパー仲間たちのほか、カニエとプライベートでも交流があるコメディ俳優のクリス・ロックや映画『21ジャンプストリート』の俳優ジョナ・ヒルらの姿も。
このリスニングパーティには、妻のキムももちろん参加。カニエがデザインした新作マーチのスウェットを着用し、夫の晴れ舞台に華を添えていた。
しかし、カニエは、そんなキムとの関係が、彼が今年5月に行った米メディアTMZとのインタビュー中に発した問題発言がキッカケで、一時、暗礁に乗り上げていたことを新曲「ウドゥント・リーブ(Wouldn’t Leave)」のなかで告白。
その問題発言とは、「奴隷制度が400年間も続いていたんだ、400年もあったら選択肢のように感じる」という、アメリカで17世紀ごろから19世紀まで続いた、黒人たちが白人たちの奴隷として働かされていたという歴史上の忌まわしき制度が、あたかも黒人たち自らの意思によるものだったとでも言うかのようなコメントのこと。
この暴言に対し、キムが示したリアクションをカニエは歌詞の中でこう明かしている。
「『奴隷は選択肢だ』って俺が言ったら、世間は「大丈夫か、イェー(※)?」だってさ/もし俺がもっと荒れてる日に出くわしてたら、一体どんな反応だったんだろうな」
※Ye。カニエのニックネーム。
「妻は電話口で『私たちすべて失うわよ』って怒鳴ってた/彼女は息もできないくらいの剣幕だったから、なんとかして落ち着かせたよ/『もう俺の元を去ったっていい』と告げたけど、彼女は去らなかった」
カニエは、この曲に、どんなに世間の人々から非難が殺到するような発言をしても、最終的には自分を見捨てなかったキムへの感謝をさりげなく忍ばせるとともに、彼女との強い絆を自慢したかったよう。
ここ最近、以前にも増して破天荒で予測不可能な行動を連発し、反感を買うことも多いカニエだが、彼の新作アルバムの評判は上々。「カニエ史上最高傑作」、「カニエはクレイジーだけど、やっぱり天才」との声も多く聞かれている。
(フロントロウ編集部)