現地時間の9日、カンザス州ライリー・カウンティーに暮らす男性が、自分の子供たちを誘拐しようとした不審な女が量販店のウォルマートにいたとフェイスブックで報告。犯人とされる女性の写真と女性の車のナンバープレート写真がついた投稿は、1万1,000回以上シェアされた。
しかし、投稿を読んだ複数の人からの通報を受けて捜査に乗り出した現地警察は、男性の主張には根拠がなく、誘拐未遂はなかったと断定。「投稿に写る女性は法を犯しておらず、投稿主によって誤って容疑者として扱われました」と、女性の無実を強調した。
これを知った投稿主の男性は、発言の撤回と謝罪をしたいと警察に相談。ライリー・カウンティー警察の公式フェイスブックにて、こう公開謝罪した。
「数日前、妻と妻の妹が息子2人を連れてウォルマートへ買い物に行きました。買い物をしているさなか、義理の妹が、一番下の息子を誘拐しようとした女を見たというたぐいの話をしたのです。妻はそれを見ていませんでしたが、それを信じた我々は、ほかの人に警告するためにフェイスブックに投稿し、この投稿はすぐに拡散しました。
ライリー・カウンティー警察と話し合い、防犯カメラの映像を見た結果、息子や一般の人に驚異はなく、親族の人間が私たちやマネジメントに実際の出来事を誤って伝えていたと確信しました。
巻き込まれた女性と女性の家族は無実であり、彼らに謝りたいと思います。我々は本当に危険があったと信じていたため、問題解決に役立つ行動を取っていると思っていました。この騒動により被害を受けた方に謝罪したく、悪意があっての行動ではなかったと信じてもらいたいです。自分たちが脅威だと思ったことから子供たちを守りたいと思っていただけでした。
すでに弁護士と話し、被害者からの動きがない限り、我々から法的に動けることはないそうです。被害者の方にそうする意志がある場合は、証拠集めに関して我々が提供できるサポートはすべてするつもりです。今回の騒動が招いたマイナスな結果のすべてに謝罪します」
男性の謝罪文を公開した警察は、続けて、こうコメントを残した。
「ご自身やお子さんに危険が及んでいると感じた時は、すぐに911番にご連絡ください。児童誘拐や誘拐未遂事件は警察に直接届けられるべきです。立証されていない話をソーシャルメディアで共有することは、無実かもしれない人を容疑者と見立てて不当な困難を招く恐れがあります」
そう言って、ネット私刑に苦言を呈した警察。自分は正しいことをしている。男性のそんな強い思いが、公開謝罪という結果に繋がった。(フロントロウ編集部)