全米オープン女子シングルス決勝戦の模様を描いたある風刺画が「人種差別的」かつ「性差別的」だと世界中から批判が噴出。各界の著名人らも怒りのコメントを発している。

世界が注目した試合を「人種差別的」、「性差別的」な風刺画で表現

 現地時間9月7日に行われた全米オープン女子シングルス決勝戦で、24回目の優勝を狙う絶対的女王セリーナ・ウィリアムズ選手を破り、見事トップの座を勝ち取った日本の大坂なおみ選手。

 多くのテニスファンたちがウィリアムズ選手優勢と見込んでいた中での、若手プレーヤーの大坂選手の勝利に世界中が沸くなか、オーストラリアで最も人気のある新聞として知られるヘラルドサン紙の公式ツイッターが辛口な風刺で知られる漫画家のマーク・ナイト氏が制作した同試合の風刺画を公開した。

 同試合中に主審から計3回の規則違反を宣告されたウィリアムズ選手。客席に座っていたコーチが指導をしたと見なされ、ルール違反だと警告を受けたウィリアムズ選手は、「勝つためにズルはしていない。それだったら負ける方がマシ」、「人生で不正をしたことは一度もない。(自身の娘の)母親としても正しいことのために戦っている」、「私は悪い事はしていない。だから私に謝りなさい」などと抗議。さらに第5ゲーム終了後にはラケットを地面に叩きつけて壊すという行動を見せた彼女に対し、主審は規則違反としてペナルティを科した。

画像: 主審に抗議するウィリアムズ選手。

主審に抗議するウィリアムズ選手。

 この一連の出来事を面白おかしく描いたナイト氏のイラストでは、まるでウィリアムズ選手が駄々をこねる赤ん坊かのように描写され、さらにアフリカ系の血を引く彼女の唇や縮れた髪の毛などを不必要に大袈裟に強調されている。

画像: ©Mark Knight/ Twitter twitter.com

©Mark Knight/ Twitter

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 背景に描かれた大坂選手に関しては、顔のパーツすら描かれておらず、「いいから、彼女を勝たせてやってくれ」と頼む主審を見上げている様子が描かれている。さらに、一部では、日本人の母とハイチ人の父のもとに生まれた彼女が意図的に白人のように描かれ、ウィリアムズ選手と対比させているように見えるとの意見も上がった。

 ウィリアムズ選手を女性特有のヒステリックさだと性差別的に揶揄し、優勝した大坂選手の功績に光を当てず、単なる背景として描いたナイト氏の風刺画には、多くのSNSユーザーから怒りと落胆の声が殺到した。


著名人らも怒りの声

 問題となっているナイト氏の風刺画を公開したヘラルドサンの決断に難色を示している人々の中には、セレブリティたちも含まれている。

 映画『ハリーポッター』シリーズの原作者であるイギリス人女性作家のJ・K・ローリングは「よくも世界最高峰の女性スポーツ選手たちを人種差別と性差別に満ちた作品に仕上げてくれたわね。しかも、もう1人は顔も描かれていないなんて」とツイッターで呆れたようにコメント。

 映画『ザ・マペッツ』などにも出演した女性コメディアンのキャシー・グリフィンは「ヘイ、マーク・ナイトさん。あなたは名前を“白人至上主義漫画家”に改名するべきよ」と皮肉った。

画像: J・K・ローリングとキャシー・グリフィン。

J・K・ローリングとキャシー・グリフィン。

 表彰式では、審判のジャッジへの不満からブーイングが飛び交う中、涙のスピーチを行った大坂選手。ウィリアムズ選手は、そんな彼女を自身も涙を流しながら励まし、優しく声を掛けていたのが印象的だった。

画像: 著名人らも怒りの声

 女性同士の熱い戦いと、お互いを称え合う素晴らしいスポーツマンシップを歪曲し、醜いものとして描いたナイト氏の風刺画には未だクレームが後を絶たない。(フロントロウ編集部)

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