『ハリポタ』を辞めようとした過去
映画『ハリー・ポッター』シリーズ(以下『ハリポタ』)で主人公ハリーの親友でホグワーツ魔法魔術学校の同窓生のロン・ウィーズリー役を演じた俳優のルパート・グリント。
現在30歳となった彼は、ガイ・リッチー監督で大ヒットを記録した映画『スナッチ』(2001年日本公開)をもとにしたテレビドラマ『スナッチ』に出演している。
同ドラマへの出演で英ナショナル・フィルム・アワードの最優秀男優賞にノミネートしたルパートが、『ハリポタ』全盛期に経験した異常な子供時代について振り返った。
ドラマ『スナッチ』のワンシーン。
10代前半から20代前半という多感な時期に『ハリポタ』一色の生活を送ったルパート。シリーズ第1作目の大ヒット以降、世界中から注目を浴び、つねにパパラッチに追い回されるようになってしまった彼は、一般の学生たちと同じような普通の生活を送りたいと願い、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005年公開)の撮影終了後、一度シリーズを辞めようとしたことまであったという。
当時通っていた学校には必要最低限しか出席していなかったルパートは、ごくたまにしか顔を合わせないクラスメートたちからは疎外感を感じ、学校に居るよりも、『ハリポタ』の撮影現場で、ハリー役のダニエル・ラドクリフやハーマイオニー役のエマ・ワトソンを含む共演者や自分よりもずっと年上の制作スタッフたちと交流しているほうがずっと楽しかったと英Independentとのインタビューで明かした。
若くして大金を手にする
その頃の“普通じゃない”生活ぶりは、ルパートの金銭感覚にも表れていた。本人は明らかにしていないものの、『ハリポタ』シリーズへの出演によりルパートが稼ぎ出したギャラの総額は日本円にして約40億円だと言われている。
そんな大金を若くして手にしたルパートが購入したもののなかには、アイスクリーム販売用のトラックやホバークラフト(※)、そして等身大サイズのダチョウの骨の標本などもあるという。
※乗り物下部に空気を吹き出してエアークッションをつくり浮き上がる乗り物。水上用と陸上用がある。
ルパートがアイスクリームトラックを購入した背景には、小さい頃に抱いていた「アイスクリーム屋さんになりたい」という夢を反映したものだが、それ以外のアイテムは、衝動的に買ったもの。
彼の一風変わった消費行動には『ハリポタ』共演者たちの間でも有名で、ルパートは「ダニエルには、僕が少しずつネバーランド(※※)を作ってるみたいだって言われたよ。お金の使い方を学ぶのには、少し時間がかかったかな。今思うと、恥ずかしいよね。今でもたまに変なものを買っちゃうけど、だいぶおさまったと思う。もう無駄遣いからは卒業したよ」と、照れ臭そうに話した。
※※映画『ピーター・パン』に登場する架空の世界。
ちなみに超堅実派で知られるダニエルは、『ハリポタ』で稼いだ約100億円をほとんど貯金に回している。
大ヒットシリーズでメインキャラクターを演じたことにより、まだ幼いうちに人生が一変してしまったルパート。それでも、もちろん『ハリポタ』シリーズに出演できたことを誇りに思っており、普通の若者とは違う生活を送りながらも、まるで家族のようにお互いを支え合った共演者やスタッフには、今でも感謝しているという。(フロントロウ編集部)