SNSアプリ、ツイッター(Twitter)の創業者の1人であり、同社のCEOを務めるジャック・ドーシー氏が、近い将来『いいね』ボタンを無くすことを計画していることを明らかにした。(フロントロウ編集部)

 先週末行われたツイッター社主催のイベントで、ドーシー氏はハート形のアイコンを配した『いいね』ボタンの存在について以前から個人的に納得していなかったと言及し、「近いうちに」撤廃するよう提案したことを告白した。

 The Telegraphはドーシー氏の発言の意図について、「SNS上での議論の質を改善するため」と解説。ツイッターの公式アカウントは、同メディアの記事に返信する形で「以前からお伝えしてきましたが、私たちはユーザーのみなさんの健康的な会話を奨励するために、サービスを根本から考え直しています。その中には、『いいね』ボタンも含まれます」とコメントし、まだ初期段階のため現時点で公に発表できる事柄は無いとしながらも、ドーシー氏の提案を受けて『いいね』ボタンの撤廃を検討していることを認めた。

 ツイッターに搭載されているハート形の『いいね』ボタンは、2015年にそれまで使用されていた星形の『お気に入り』ボタンに代わって導入されたもの。

 当時、『お気に入り』ボタンから『いいね』ボタンに切り替えた理由について、ツイッター社のプロダクト・マネージャー、アカーシャン・クマール氏は「ユーザーにとってつぶやくことで何らかの報酬が得られるようにしたかったのです。これまでの星形の『お気に入り』は、その背景にどういった意図や気持ちがあるのか伝わりづらかったのに対し、ハート形の『いいね』はもっと気軽に使えるうえ、さまざまな感情を反映することで、ユーザーたちが交流し合う手助けになると考えました」と語っていた。

画像: ツイッター社共同設立者兼CEOのジャック・ドーシー氏。

ツイッター社共同設立者兼CEOのジャック・ドーシー氏。

 導入後しばらくの間はユーザーたちの間で好評となった『いいね』ボタンだったが、数年が経ち、おもに“承認”を意味するその特性上、ユーザーたちに精神衛生上思わしくない影響を及ぼしてしまっていることが懸念事項に。

 最近では、他人からの承認を得ることを目的とした投稿に傾倒してしまうユーザーが増えたほか、『いいね』が集まらない不人気な投稿は削除してしまうというユーザーも続出。ツイッター社が掲げている「ユーザーたちに健康的な会話や議論の場を提供する」という根本的なサービス指針とはズレが生じてしまっているということが、同社が改良の必要性を感じるようになった要因のようだ。(フロントロウ編集部)

 

 

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