11月20日に3年ぶりに行われたテイラー・スウィフトの公演をレポート。(フロントロウ編集部)

 多くのファンが待ち望んだ3年ぶりとなるテイラー・スウィフトの来日公演。今回の「レピュテーション・スタジアム・ツアー」のアジアでの開催は、日本のみだったため会場にはアジア全土から集まったテイラーファンが終結した。

チャーリーXCXが会場を盛り上げる

 すでに熱気あふれる会場でまずステージ上にあがったのは、イギリス人シンガーのチャーリーXCX。彼女はアイコナポップとコラボした「アイ・ラブ・イット」や大ヒット映画『きっと、星のせいじゃない』の挿入歌「ブーム・クラップ」などヒットソングを披露。今回のワールドツアーで全世界を一緒に周っているチャーリーは、テイラー出演まで会場を盛り上げた。

 チャーリーが終わると、一部のセットが撤退し、いよいよテイラー出演モードにチェンジ。ステージには幅131メートル×横36メートルの巨大スクリーンが置かれ、舞台装置をセットする間もテイラーに関するトリビアや過去の映像、そしてメイキング映像が流れており、ステージ上に人がいなくてもファンを飽きさせないための工夫が。

いよいよテイラーが登場

 そしていよいよ待ちに待った、本日の主役テイラー・スウィフトがステージに。オープニング曲「…レディ・フォー・イット?」が会場に流れ、テイラーの影が見えると会場は割れんばかりの声援でテイラーを迎えた。続いて披露された「アイ・ディド・サムシング・バッド」では、4人のダンサーに持ち上げられながら歌うなど、早速圧巻のダンスパフォーマンスを披露。

画像1: Yoshika Horita

Yoshika Horita

 最初の2曲が終わるとテイラーが「コンバンワ、東京!」と日本語で挨拶。続けて「ようこそレピュテーション・スタジアム・ツアーへ!帰って来られて嬉しいわ、とても恋しかったの」と話し、女性ダンサーやバックコーラスのメンバーを紹介。また「東京には素敵な思い出がたくさんあるの。前回の1989ツアーは東京からスタートしたでしょ?だから、今回のツアーは東京公演をこのツアーのファイナルにしようと思ったの。日本のみんな、私を歓迎してくれてありがとう!」と、今回のツアーファイナルを日本にした理由を熱く語った。

画像2: Yoshika Horita

Yoshika Horita

 ここまでは今回のアルバム『レピュテーション』の収録曲を披露したけれど、続く曲は「スタイル」「ラブストーリー」「ユー・ビロング・ウィズ・ミー」など過去にプレイバック。このセクションでは、バンドメンバーもテイラーと一緒にステージ盛り上げた。

 ここでテイラーは一旦衣装チェンジで、舞台裏へ。次に披露されたのはMVが公開されるや否や大きな話題を呼んだ「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」。舞台の上に12匹のヘビが乗った大きな船のような舞台装置が登場し、前後左右に揺られながらまるで荒波に揉まれながら歌い続けるテイラー。曲の中盤を過ぎた時には、今回のツアーの名物ともなっている大蛇「キャリン」が出没。海外公演のセットをそのまま持ってきているだけあり、かなりの迫力。今回のツアーセットのなかでも大きな話題になっていただけあり、「キャリン」の登場には会場が沸いた。

画像1: ©Instagram/ Taylor Swift

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 そしてテイラーがMCで音楽活動を一時休止していたことを明かし、「この会場の中で1989のツアーにも来てくれてた人は?」や「今まで一度も私のパフォーマンスを見たことがなかった人は?」など、観客とやり取りし、「このアルバムのコンセプトについて沢山考えたわ。アルバムのタイトルを先に決めてから曲を作ったのは、このアルバムが初めてなの。だからこのアルバムに収録されている曲を書いている時は、つねに“レピュテーション(評判)”のすべての側面を考えていた」と、今回のアルバムについて語った。

 また「デリケート」では、宙を舞う大きな乗り物に乗り込み、会場の後方にいたファンの近くへ。そして公演の中盤では大ヒット曲「シェイク・イット・オフ」でオープニングアクトを務めたチャーリーが舞台上に再び登場しテイラーと一緒にパフォーマンスを披露し、会場のボルテージは最高潮。

 そしてこの日一番のサプライズとなったのが、ギター1本でパフォーマンスする「アイ・ノウ・プレイシス」。これまで各地では他の楽曲が歌われていたけれど、日本では「アイ・ノウ・プレイシス」を選曲。ファンもこれには大感激で、会場全体がひとつになり熱唱。テイラーはここで隣のステージへ移動。しかもこの時、ファンの間を通りながら移動し、近距離でファンと交流しファン思いの姿を見せた。

画像2: ©Instagram/ Taylor Swift

©Instagram/ Taylor Swift

 今回の公演では、ギターの弾き語りだけでなくピアノの弾き語りも披露。テイラーは歌いはじめる前に「この公演は今回のツアーのセカンドラストショーよ」と語ると、「とっても楽しかった。今回のツアーはそれぞれどの公演もとても楽しかった。あなたたちは間違いなく最高のお客さんよ。ありがとう。明日はとてもエモーショナルな気分になると思うわ。今夜もそうよ。ショーを行うこともファンもツアーメンバーも大好きだから。バンドメンバーやバックコーラス、ダンサー、そしてチャーリーが一緒にツアーを回ってくれて本当にラッキーだわ。そして何百人ものツアークルーをもてたことも同様にラッキーだと思う」と、いよいよ明日で終わるツアーを振り返りながら心境を語り「ロング・リヴ」と「ニュー・イヤーズ・デイ」をしっとり聴かせた。

画像3: ©Instagram/ Taylor Swift

©Instagram/ Taylor Swift

 そしてラストは盛大な噴水が登場。「コール・イット・ホワット・ユー・ウォント」、「ウィーアー・ネバー・エバー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」、「シュヴ・セッド・ノー」を噴水の上でパフォーマンス。そして最後は5万人以上に惜しまれながら、ステージを去っていった。

日本を大切にするテイラーの姿

 今回のツアーでは、日本から影響を受けたアイテムが多数登場。まずはダンサーの衣装。オープニングは、鎧を身にまとったような衣装で武士や侍を彷彿とさせる衣装を着用。続いて、ずらりと並べられた何台もの巨大和太鼓。「キング・オブ・マイ・ハート」の演出には大きな和太鼓がステージ上に並べられ、パフォーマンスのキーアイテムに。

 そして日本を感じさせるアイテムだけではなく忘れてはいけないのは、2人の日本人ダンサー。とくに有働真帆は、数多くいるダンサーのなかから、ダンサーキャプテンに抜擢。和田マリアもパフォーマンス中にテイラーから「マリアに大きな声援を」と何度も紹介され、大きな拍手を浴びた。

 ラストの挨拶ではこれまでテイラー1人で左右のステージとセンターステージで挨拶してきたけれど、日本公演では日本人ダンサー2人を一緒に連れて挨拶。その特別な行動に、ファンも2人の凱旋公演を祝うかのように拍手と声援を送った。

 2018年5月から53公演行ってきた「レピュテーション・スタジアム・ツアー」。今回のツアーは東京でついに幕を閉じる。(フロントロウ編集部)

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