ある女性が道行く人々に「レイプされました。助けてください」と助けを求めたところ、想像を絶するほど残酷な返事が返ってきた…。その様子を撮影した1本の動画によって明らかになった、レイプ被害者が直面する「ヴィクティム・ブレーミング(被害者批判)」の実態とは?(フロントロウ編集部)

レイプ被害者が直面する「残酷な現実」

 レイプ被害者の女性から「レイプされました。助けてください」と助けを求められたにもかかわらず、助けるどころか、その女性に心ない言葉を浴びせる人々の様子を撮影した動画が大きな反響を呼んでいる。

 フェイスブックに投稿された1本の動画に映っていたのは、あまりにも残酷な現実だった。

「君、酔ってるの?」

「薬物でもやったのかい?」

「そんなことを大きな声で言うべきじゃないわ」

「見ろよ。あそこに誰かにヤられたアバズレがいるぞ」

 これらはすべて被害を訴え、助けを求める女性に対して人々が浴びせた言葉の数々だ。なかには、女性の服装を見て「俺なら妹があんな格好で外に出ることは絶対に許さない」と友人に耳打ちをして、「レイプされたのは被害者の責任」と、服装を理由に女性のことを暗に批判する人も。

 じつは、この動画はレバノンのNPO法人「Abaad」が「Shame On Who?(シェイム・オン・フー?)」というキャンペーンの一環で制作したもので、動画に映っている女性は被害者に扮した女優。この動画はレイプ被害者が直面する「ヴィクティム・ブレーミング(被害者批判)」が実際にどのようなものなのかを世間に知ってもらうため、路上でこうした実験を行い、人々の"リアルな反応"を引き出している。

 もちろんみんながみんな今回の動画に映っている人たちと同じような考えを持っているわけではないが、レイプ被害者の多くが、一部の人たちから「被害にあう方にも問題がある」といった批判に晒されているのも事実。キャンペーンの名前になっている「シェイム・オン・フー?」は日本語に訳すと「恥を知るべきは一体誰?」という意味になり、恥を知るべきは被害者ではなく、被害者を批判する人たちであると訴えかけている。(フロントロウ編集部)

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