レディー・ガガが主演映画『アリー/ スター誕生 サウンドトラック』の代表曲を日本のファン向けに解説。ロサンゼルスで行われたこのインタビューの全編を、日本のメディアとしてはフロントロウが独占で公開する。(フロントロウ 編集部)

 レディー・ガガのキャリアが新たなチャプターを迎え、世界に「第二次ガガ・ブーム」が到来している。

画像: ©️ Gerber Pictures/Joint Effort/Live Nation/Malpaso Productions / Album/Newscom

©️ Gerber Pictures/Joint Effort/Live Nation/Malpaso Productions / Album/Newscom

 初の主演映画『アリー/ スター誕生』は400億円を超える大ヒットとなり、そのサントラは、『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』も成し得なかった、初登場週から3週連続で全米アルバムチャート1位という記録を達成。

 『アリー/ スター誕生』は観客だけでなく批評家からの評価も高く、来年1月のゴールデン・グローブ賞で作品賞や主演女優賞を含む5部門に、SAGアワードで最多4部門にノミネート。2月のグラミー賞でも映画のメインソング「シャロウ ~『アリー/ スター誕生』愛のうた」が最優秀楽曲賞や最優秀レコード賞など4部門にノミネートされ、2019年はガガ・フィーバーでの幕開けが予定されている。

 映画と音楽という2つの世界を同時制覇しているガガが、映画の主演俳優ブラッドリー・クーパーと共に制作したアルバム『アリー/ スター誕生 サウンドトラック』の中から4曲を厳選し、日本のファンに向けて解説してくれた。フルインタビューをフロントロウ編集部が独占で公開する。

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【フロントロウ独占で全編公開】レディー・ガガが『アリー/ スター誕生 サウンドトラック』代表曲を日本のファン向けに解説

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「オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ〜2人を忘れない」

 ガガが「本当に大好き」と語るこの曲は、ガガ自身が恋愛中に感じるある気持ちがインスピレーションになっているそう。だからこそ、「ものすごく、胸が張り裂けそうな曲だった」とガガは語る。

画像1: Lady Gaga - Always Remember Us This Way (From A Star Is Born Soundtrack) t.co

Lady Gaga - Always Remember Us This Way (From A Star Is Born Soundtrack)

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レディー・ガガ:「ああ、この曲の制作は本当に楽しかったわ。そう、「オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ~2人を忘れない」を書いたのは、私と、ヒラリー・リンジー、ナタリー・ヘンビー、アーロン・ラティアーと、ローリー・マッケンナ。そしてデヴィッド・コブと私でプロデュースしたの。これは本当にものすごく、胸が張り裂けそうな曲だった。思うんだけど……誰かと恋愛関係にある時って、時々よく分からなくなることがあるでしょ、この愛は永遠に続くのかしら?って。もし永遠に続くとしたら、それは素晴らしいことよ。だけどそうでない場合、人はいつだって一番幸せだった頃に思いを馳せながら、思い出を噛みしめたくなる。この曲で描かれているのはそれなのよね。この歌詞、大好きだわ。「あのアリゾナの空が/あなたの瞳に映って燃えていた/こっちを見て、ベイビー、火をつけてほしいのよ」「カリフォルニアの金鉱の黄金のように/私の魂の中に埋もれていた/自分では見つけられなかった光を、あなたが探し当ててくれた」そしてこの次が私には重要だったのよね。「だから喉が詰まって、言葉が見つからなくて/さよならする時はいつも、ベイビー、辛くてたまらない」「太陽が沈み/バンドが演奏を止めても」つまり、“2人の愛が終わってしまっても”って意味なんだけど、「いつまでも忘れないわ、こんな2人のことを」——こういった美しい思い出としてね。この曲、本当に大好きなのよね。この共作者の皆と一緒に曲が書けて楽しかった。最高の経験だったわ」

「シャロウ~『アリー/ スター誕生』愛のうた」

 ゴールデン・グローブ賞主題歌賞、グラミー賞最優秀レコード賞や最優秀楽曲賞にノミネートされている映画のメイン曲についてガガは、「今回私たちが書いた他のどの曲とも大きく異なっていた」と語り、曲が完成した瞬間に部屋に流れた不思議な空気を振り返った。

画像: Lady Gaga, Bradley Cooper - Shallow (A Star Is Born) www.youtube.com

Lady Gaga, Bradley Cooper - Shallow (A Star Is Born)

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レディー・ガガ:「私にとって、とても大切な曲。「シャロウ~『アリー/ スター誕生』愛のうた」は、私がマーク・ロンソンとアンソニー・ロサモンド、そしてアンドリュー・ワイアットと一緒に共作した曲で、この曲では私も共同プロデュースを手掛けたのよ。プロダクション作業はすごく楽しかったわ。これはとても特別な曲なの。この曲では2人の人間が語り合っていて、お互いの話に耳を傾け、絆を深めていく。そして2人は、今のこの世界や人生で置かれている状況、そして求めるものがほかにあるのか、といったことについて語り合っている。2人はもっと深い何かを求めているのよ。もっと深く繋がり合いたいってね。そういえば、マーク・ロンソンとちょうど昨夜その話をしていたのよ。皆でじっくり曲作りをしていた時のことなんだけど、私はピアノの前に座っていて、他の3人全員はギターを手にしていたわ。実際この曲は、今回私たちが書いた他のどの曲とも大きく異なっていたし、私がこれまで手掛けてきた他のどの作品ともまるで違っていた。ものすごい集中力で取り組んでいたのよ。あの日は4人とも皆すごく真剣で、部屋には何やら張り詰めた空気が漂っていた。まるで精霊か何かがそこにいて、私たちに何かを言おうとしていたみたいな感じでね。私たちはその精霊にじっと耳を傾け、お告げを待っていたのよ。そしてこの曲が降りてきたというわけ。それは本当に特別な瞬間だった。本当に見事に全てが一つにまとまったのよ。そしてそれがこういったデュエットに仕上がった。劇中のシーンにも、とても満足しているわ。ブラッドリーがものすごく気に入ってくれて、私もすごく嬉しいし。私にとって、音楽的に本当に格別な瞬間だった」

「アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン」

 「映画『ボディガード』の「オールウェイズ・ラヴ・ユー」を上回る曲を書かないと」という思いから生まれたというのがこの曲。ガガは撮影中に親しい友人をガンで亡くしており、撮影を中断して病院へ急行したものの、15分差で間に合わなかったという。この曲の歌唱シーンは病院から戻った直後に撮影されたもので、ガガのむき出しの感情が心揺さぶるシーンを作り上げた。

画像1: Lady Gaga, Bradley Cooper - I'll Never Love Again (A Star Is Born) t.co

Lady Gaga, Bradley Cooper - I'll Never Love Again (A Star Is Born)

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レディー・ガガ:「あの曲は、私がヒラリー・リンジーと、ナタリー・ヘンビー、アーロン・ラティアーと書いた曲で、私たちは無理難題に取り組んでいたの。私は部屋に入り、皆に「それじゃ、映画『ボディガード』の「オールウェイズ・ラヴ・ユー」を上回る曲を書かないとね」って言ったわけ。まあ実際それは不可能なことよね。無理な話だわ。でもこの作品を締め括る重要な場面の裏には、そういった構想があった。この曲に関してすごく興味深いと思うのは、この曲のタイトルである「アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン」、つまり“もう二度と愛さない”というのが、ある意味ネガティヴな曲名だってところなのよ。とは言っても、もちろん、いずれ愛することはあるでしょう。人は皆、誰しもね。けれど悲しみがあまりに強烈すぎて、あまりに深く傷ついた場合、同じように誰かを愛することは二度とない。私はこの曲が大好きでたまらないのよね。この曲に取り組んでいた時のことをよく憶えているんだけど、サビの部分の繰り返しが、私にとっては非常に重要だった。「もう誰にも触れられたくない/もう二度と胸を焦がしたくない」「もう誰のキスも受けたくない/別の誰かの名を口にしたくない」「この心を捧げたくない/あなた以外の誰かになんて/新たな一日を迎えたくなどない」「陽の光さえ しまいたい/もう二度と誰も愛さない」という部分ね。つまり……私が思うに、この曲で訴えているのは、「こんなものはもう要らない/あんなものももう要らない/もういい、もういい、もういいの」「だって彼と分かち合ったものは二度と手に入らないのだから」という、衝き上がるような思いなのよ」

「ルック・ホワット・アイ・ファウンド」

 劇中で、ジャクソン(ブラッドリー)と食事をしていたアリー(ガガ)が頭に浮かんだ歌詞を書くところから誕生する曲「ルック・ホワット・アイ・ファウンド」。ガガは、「朝起きるのも辛くて、なかなか幸せな気持ちになれず、人生に前向きになれずにいるんだけれど、でもその後、探していたものが見つかるってこと」と、曲のテーマを明かした。

画像: Lady Gaga - Look What I Found (A Star Is Born) youtu.be

Lady Gaga - Look What I Found (A Star Is Born)

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レディー・ガガ:「これはルーカス・ネルソンと、私と、ポール・ブレアと、ニック・モンソン、そしてマーク・ナイランと書いた曲。この曲も大好きよ。この曲のプロダクションを手掛けるのも楽しかった。これは実際、ルーカスの着想から生まれた曲だと言うべきね。彼とマーク・ロンソンとがこの作品で中心的な役割を果たしていたのと同じ意味で。そして私が、そこここで自分なりの意見を出した。この曲にホーンを入れて、ある特定の雰囲気を醸し出すことが、私にとっては本当に重要だったの。そして私にとって本当に重要な、ある特定の歌詞やメロディがこの曲にはあった。でも、この曲に関して私が特に気に入っているのは、人は人生においてさまよい歩き、様々な人間関係や恋愛を経験して、乗り越えていくってところなのよ。ある意味ね。例えば辛い恋の終わりを経験したりすると、自分の心の一部が砕け落ちて、欠片が床に転がったままでいるような気持ちになる。そしてその欠片を拾って埋め戻すことが出来きない時があるのよね。この曲の歌詞で私が特に好きな一節に「ほら、見つけたのよ/私の心の欠片がまた一つ/地面に転がっていた」というのがあって。そして最後の方には「ほら、あなたは見つけたのよ/私の心の欠片を」とある。つまり、もう一度、愛を信じさせてくれる誰かに出会ったということなのよね。そしてそのおかげで自分自身のことも、もう一度信じられるようになった。つまりこの曲のテーマは、朝起きるのも辛くて、なかなか幸せな気持ちになれず、人生に前向きになれずにいるんだけれど、でもその後、探していたものが見つかるってこと。私自身、この曲が大好きなのよ。だから日本のファンの皆さんがこの曲を愛してくれて、とっても嬉しいわ」

 人生のアップダウンについて歌った曲や、大切な人を失った心の叫びを歌った曲など、『アリー/スター誕生 サウンドトラック』で映画のサントラの枠を超えた名アルバムを完成させたガガ。映画は12月21日に日本公開されるため、アルバムと映画をぜひセットで楽しんでもらいたい。

<リリース情報>
アルバム『アリー/スター誕生 サウンドトラック』
発売中
¥2,700 (税込)/UICS-1344

画像: アルバム『アリー/スター誕生 サウンドトラック』

アルバム『アリー/スター誕生 サウンドトラック』


映画『アリー/スター誕生』
12月21日(金)全国ロードショー

画像: 映画『アリー/ スター誕生』予告【HD】2018年12月21日(金)公開 www.youtube.com

映画『アリー/ スター誕生』予告【HD】2018年12月21日(金)公開

www.youtube.com

(フロントロウ 編集部)

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