愛妻家で知られ、スタッフ想いなど人柄の良さで知られるヒューだが、今回の会見でもジェントルマンぶりを発揮した。
「オハヨウゴザイマース!」からの、「あれ?」
同作は、1988年の米国大統領選挙で、当選確実と言われていた有力候補ゲイリー・ハートが、たったひとつのスキャンダル報道で政界から葬られた事件の真相に迫るサスペンス・ドラマ。
ヒューは、映画『グレイテスト・ショーマン』以来約1年ぶりの来日で、今回で3年連続の来日。親日家で知られるヒューは、さわやかに「オハヨウゴザイマース!」と挨拶しながら登場。微笑む周囲の反応に「あれ?いまの発音はよくなかった?」とはにかむも、続けて「アリガトウゴザイマス」と流ちょうな日本語を披露した。
隣の通訳者へ、まさかの気遣い!
出演の決め手は何だったのか質問されると、まずは日本語で「アリガトウゴザイマス」と丁寧に、質問へのお礼。
「理由のひとつめは、ジェイソン・ライトマン監督のこれまでの作品『ジュノ』などが好きで、監督と仕事をする機会を待っていたこと。ふたつめは、この映画は実在するゲイリー・ハートが大統領最有力候補から転落するまでの3週間を描いた作品で、観るものへ疑問をなげかけるストーリーが気に入った。それに、ゲイリーの役は謎めいていて、知性があり頭が切れる。そこが私とは少し違いますが(笑)その役にチャレンジしたかった」と話した。
そう話したヒューは、隣にいる通訳者が大急ぎで訳す様子に気づくと、彼女にペットボトルの水をグラスにあけて差し出す気遣い。さらに、次からの質問にはゆっくり話し、質問のあいだあいだに通訳がはさめるようにするジェントルマンっぷりを見せた。
ヒュー、ジャーナリストになっていたかも?
作品は、政治とジャーナリズムのルールを大きく変えたスキャンダラスな事件としても注目だが、ヒューは「実は、学生のときはジャーナリズムを専攻していた。俳優をしていなかったら、いまのみなさんの席に座っていたかも」と告白。
「ゲイリー・ハートの出来事がターニングポイントになり、政治とジャーナリズムの関係が変わったと思う。それまでは、政治家にぶしつけな質問をしたり、夜中2時に待ち伏せをして路上でインタビューをするようなことはなかったんだ」と話した。
取材陣へもジェントルマンな気遣い!
また、「以前は、書いた記事の締切は夜の何時など決まっていたけれど、今はネットですぐに書いたものを出す必要がある。ジャーナリストの仕事をしている人たちがどれだけ大変なのかわかるから、尊敬の念を抱いている」と取材陣への気遣いを見せた。
質問にはすべて「アリガトウゴザイマス」とまずは日本語でお礼を述べてから答える徹底っぷりで、終始、ジェントルマンだった。
作品について、「いろんな疑問が湧いてきて、アメリカだけではない世界中のあらゆる国の政治に対して話し合うべき議論が生まれると思う。どの登場人物に感情移入して観るかも自由。ぜひ日本の皆さんに観ていただきたい」と語った。ヒューは会見前日の20日夜に日本に到着、23日まで滞在する予定。(フロントロウ編集部)
2月1日より全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント