実在したカリスマ連続殺人鬼
ザック・エフロンが、アメリカで最も恐ろしい殺人鬼のひとりと言われるテッド・バンディ役を演じる、映画『Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile(原題)』の予告編が先日公開された。
これまでの役柄とは一変、凶悪な犯罪者を演じるザックに、一部のファンから寄せられる「犯罪者役でもかっこいい」といった反応に警戒する人がいる。
それは、テッドから実際に被害を受けた女性たちである。
テッドといえば、甘いマスクと賢い頭脳、匠な話術を使ったカリスマ的な魅力で昼夜構わず若い女性を誘拐し、暴行、レイプ、殺害した後も屍姦するといった前代未聞の残忍行為を繰り返した殺人鬼。
時には深夜に不法侵入して寝ている頭をこん棒で殴ったり、時には公園で誘惑して人目のない場所まで連れ込んだりして、女性を犯し殺害。
2度も脱獄したテッドに殺害された死者の数は少なくとも30人以上、彼が初めて殺人に手を染めたのはわずか14歳の時だったという説もある。
そんな殺人鬼をザックが熱演して描かれる映画に黄色い声援が寄せられることに、テッドの犯罪から生き延びた被害者のひとりキャシー・クライナー・ルービンが危険信号を示している。
なぜなら、テッド本人こそ「外見はチャーミングでハンサム」だったから。
ルックスや経歴を見ても、世間的に人殺ししそうにないイメージだったテッドだからこそ、数多くの女性がさらわれ、警察が動くのも遅かった。
そんな外見だけに騙されないでほしいという気持ちから、キャシーは米TMZに「映画を見るのなら、スクリーンに映るのは狂気な人間で普通じゃないという事を再度理解してほしい」と訴えた。
また、『Extremely Wicked, Shockingly Evil andVile』の予告編公開の数日前には、テッドの残虐な犯罪を追うNetflixのドキュメンタリー番組『殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合』も配信スタート。
2つの作品によって、死刑が執行されてから30年が経った今、テッド・バンディという人物に再び注目が集まっている。
40年以上前の殺人事件が今、脚光を浴びることになったことについて、テッドによって17歳で殺害されたデブラ・ジーン・ケントの母親は、米Peopleに「なぜ今もまだ私たちの顔に泥を塗るのでしょう」と憤りをあらわにした。
続けて、「誰にでも起こりうることなのです」「あなたがあの状況に陥る可能性だってある」と、仮面をかぶったサイコパスが近くで息をひそめているかもしれないと、人々に警鐘を鳴らした。(フロントロウ編集部)