先日惜しまれながらもこの世を去った「モードの皇帝」カール・ラガーフェルドは、高級ブランドのシャネルのデザイナーを1982年から37年にもわたって手がけてきた。年に数回行われるシャネルのファッションショーでは、カールの洗練されたファッションデザインだけでなく、彼の世界観を反映した豪華で荘厳な空間デザインも見どころのひとつだった。そこで今回は、彼の世界観が覗けるランウェイを8本ピックアップ。
2006年Spring Summer Women’s wear
2006年春夏コレクションでは、なんと螺旋階段が中央に設置された。エアリーなドレスを着たモデルたちが天から降りてくるという幻想的な空間に。
2010/2011年 Autumn Winter キャットウォーク
2010年に東京の国立代々木競技場で行なわれたキャットウォークでは、氷に覆われた世界が出現。床にはスモークが焚かれ、まるで雪国のような空間が作り出された。
2011年 Pre-Autumn Winter オートクチュール
大きなライオンが表れた2011年のプレ秋冬コレクション。発表されたルックも、メタリック素材や赤と黒を合わせた強さを感じるデザインが多く見られた。
2012年Spring Summerパリファッションウィーク
深海にいるかのようなセットデザインがされた2012年春夏コレクション。特別ゲストとして、シンガーのフローレンス・ウェルチが貝殻の中に立ってパフォーマンスを行なった。
2012年Autumn Winter Women’s Wear
2012年秋冬コレクションでの、大きなクリスタルが無数に床から生えているデザインは圧巻の一言。ルックも、黒やパンツスタイルを基調としたものでクールな仕上がりに。
2013年 Spring Summer Women’s Wear
2013年春夏コレクションでは、なんと13もの風車のレプリカが登場。ルックも丸にインスパイアされたデザインが多く、フラフープのようなバッグなども注目を浴びた。
2017/18年Autumn Winter
このショーでは、なんとロケットが会場の中央に登場。ショーの途中で煙を出す演出まで行なわれた。近未来的なルックに合わせた演出は話題をさらった。
2019 Spring Summer Women’s Wear
2019年の春夏コレクションでは、室内にまさかの海と海岸を作り出したカール。海には本物の水を使っていて、モデルたちは靴を脱ぎ裸足になってゲストの前へ。履くための靴を手に持って見せるという新しいスタイルのショーで、観客を魅了した。
ファッションデザイナーとして60年以上、ファッション業界の最前線で活躍してきた巨匠カール・ラガーフェルド。その旅立ちは惜しまれるけれど、彼の功績はこの先も色褪せることはない。(フロントロウ編集部)