映画『グリーンブック』とは
映画『グリーンブック』は1962年を舞台に、天才黒人ピアニストがツアーのために、粗野なイタリア系用心棒を雇い、当時発行されていた黒人専用ガイドブック「グリーンブック」を頼りに、あえて差別の色濃い南部へコンサート・ツアーへ旅をする実話をもとにしたロードムービー。
第91回となった2019年のアカデミー賞では5部門にノミネートされ、大賞である作品賞のほか、助演男優賞、脚本賞の合計3部門で受賞を果たした。『グリーンブック』は興行面でも成功しており、予算25億円ほどの作品はすでに200億円以上を稼ぎあげている。
『グリーンブック』に登場する「車」
『グリーンブック』で天才ピアニストをアメリカ南部のツアーへとおくり届けるために使われた車は、米大統領の専用車としても知られる、世界に誇るアメリカの高級車キャデラック。
製作において車の選定は念入りに行なわれ、およそ45台ものヴィンテージカーを選出し、選ばれたのがこちらのレア車、キャデラック ドゥビル セダン(Cadillac Sedan DeVille)だったという。
1962年を舞台に、笑いあり、パプニングありの旅へと主人公たちをいざなうのは、1960年代にアメリカで話題となり、映画のタイトルを連想させる、鮮やかで美しいターコイズグリーンのキャデラック ドゥビル セダン。
天才黒人ピアニストを演じたマハーシャラ・アリは、全身ブランド品を着こなし上品でスタイリッシュな装いでスリムな体型、一方で野蛮で雑なドライバーを演じたヴィゴ・モーテンセンは大柄でカジュアルに着崩したスタイル。
人種もスタイルも異なった2人の交流を描いた作品において、車中での2人のコントラスを撮影することに注力したため、車の選定やカラーリングにはこだわったと製作チームが明かしている。
選ばれたキャデラックは、オリジナルで販売されていたものよりも劇中で映えるようにカラーを鮮やかなターコイズグリーンへとカスタムされているほか、インテリアのレザーシートもエクステリアに合わせるように、美しいライトブルーへとカスタムされた。
ちなみにこちらのキャデラック ドゥビル セダン(Cadillac Sedan DeVille)、アメリカでの名称は「DeVille」だったが、日本語で表記すると、「デビル(悪魔)」と誤解される可能性を考慮して、日本では「ドゥビル」という名称を採用したとか。
映画『グリーンブック』は全国公開中。(フロントロウ編集部)