露出度の高い服装を理由に搭乗便からあわや追放されそうになった女性の服装に賛否。(フロントロウ編集部)

 スペイン領のカナリア諸島にあるビーチリゾート、テネリフェ島で休暇を過ごすべく、イギリス・バーミンガム発のトーマス・クック航空便に搭乗した21歳のある女性が、機内で思わぬ屈辱を味わうこととなった。

 温暖な気候のビーチリゾートへの旅ということもあり、黒いクロップト丈のブラレットにハイウェストのワイドパンツというリゾート仕様の装いで現れた彼女に、飛行機の入り口で待っていた客室乗務員から“待った”がかかった。

 同社のウェブサイトには搭乗時の服装に関する規定は掲載されていなかったこともあり、自分の服装のどこがいけないのか理解できなかった彼女は、そのまま指定の席へ。すると今度は4人のスタッフがやってきて、彼女の服装を注意。

 「お客様のお召し物は不適切です」、「ほかのお客様のご迷惑になります」、「肌を隠していただけないのなら、機内から出て行っていただきます」と詰め寄られ、すでに座席の上に上げてあった荷物を下ろされそうになったという。

画像: 「他のお客様のご迷惑に」飛行機から追放されかけた女性の服装に賛否

 自分が不当に扱われていると感じた女性は、乗務員たちの警告に反発。このとき周囲の視線はすでにこの女性と乗務員たちのやり合いに集中していたこともあり、怒り心頭の女性は、ほかの乗客たちに「私の服装はみなさんに迷惑をかけていますか? 」と質問。しかし、誰一人として彼女の問いかけに応えることはなく、沈黙を貫いていた。

 その後も言い合いを続ける女性と乗務員の様子に嫌気が差したのか、ある男性客が、女性を批判するようにこう野次を飛ばした。「黙れよ、情けない女だな! いいから、さっさとジャケットを羽織れよ」。しかし、女性蔑視的な発言であるにもかかわらず、この男性客にはお咎め無し。このことにも女性は憤りを感じていた。

 羽織り物を機内に持参していなかった女性は、仕方なく、離れた席に座っていた従兄弟からジャケットを借り、肌を隠すことに。

 乗務員たちは女性がジャケットに袖を通すまで、その場を離れず、彼女の様子を見張ると、出発前には機内放送を通して、女性とのいざこざを乗客たちに説明。女性は機内から追放されるという事態は避けられたものの、あまりの屈辱的な仕打ちに、怒りと恥ずかしさに震えながら目的地までの時間を過ごしたという。

 目的地についても怒りが収まらなかった女性は、この件についてツイッターで発信。この日の自身の服装を撮影した写真を添付して、ことの顛末を説明すると、たくさんのフォロワーたちからさまざまな反応が寄せられた。

 こちらが、女性が公開した当日の服装。

画像: ©Emily O’Connor/ Twitter twitter.com

©Emily O’Connor/ Twitter

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 「彼女の服装は許容範囲であり、誰にも迷惑をかけていない」、「男性はラフな格好で搭乗しても何も言われないのに、女性だけが彼女のような扱いを受けるのは男女差別的」、「服装の規定が明示されていなかったんだから、これは不当」と彼女を擁護する意見もあれば、「確かにこれは露出しすぎ」、「羽織り物を持参するべきだった」、「こんな格好で搭乗したら、降ろされても仕方ない」といった反対意見も。

 しかし彼女がツイッターの投票機能を使って行なった、自身の服装は「不適切か、そうでないか?」という質問には、じつに77%の人々が「不適切ではない」と回答した(※)。

※日本時間3月21日現在の数字。

 世界各国のメディアが同件について取り上げると、多くの視聴者からも女性を擁護する声が。

 これを受け、トーマス・クック航空は米CNNを通じて発表した声明の中で「お客様に不快な思いをさせてしまったことを残念に思います。もっと良い対処法があったことを認めます」と謝罪。しかし、「同社が搭乗時の服装の規定を設けていることは確かです。それは性別や年齢に関する差別に基くものではなく、みなさまに平等に適用されるものです」と、機内で好ましいとされる服装にはある一定の基準があると説明した。(フロントロウ編集部)

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