妄想が溢れるトムヒ出演の中国のCM
米サプリメーカーのCentrum(セントラム)の中国版CMに出演したのは、紳士的な姿が魅力の俳優トム・ヒドルストン。
朝起きてから朝食を食べるまでの日常的な朝のルーティーンにトムがいたら…というファンの妄想劇を映像化した、一見すると夢物語のようなCMに思えるのだが、よく見てみるとかなり奇妙なことがわかる。
まずは話題のCMを見てほしい。
CMは、ある女性の目線で進行する。目覚まし音とともに朝起きた女性が階段を降りると、広々としたキッチンにはスーツ姿に黒のエプロンを着用したトムの姿が。
包丁で野菜を切ってクッキングするトムは、女性に気がつき振り返ると色気のある声で「ヘイ」「おはよう」と挨拶。料理を続けながら「早く終わったから、ここに寄って朝食を作ったよ」と話す。「早く終わった」とは…?
“朝ごはんを作る”という設定のため、時刻はまだ1日が始まったばかりの午前中のはず。何かが「早く終わった」と語るトムは、徹夜の仕事だったのだろうか。
そんな疑問への説明はないまま、映像はダイニングテーブルへと移る。
ブラックビーンズ、ニンジン、ほうれん草、キャベツ、コーン、パプリカ、キュウリ、ザクロがボーダー状にレイアウトされた奇妙なほどにカラフルなプレートに目玉焼きが乗る謎の料理を渡し、「コショウを上にかけるよね?」と聞くトム。女性の好みを熟知しているよう。
そしてトムは、何かを思い出したかのようにテーブルにあるサプリに手を伸ばすと、なんといきなり中国語を話し出す。なぜか中国語でサプリを飲むように促したトムは、食事中の女性を見つめながら今度は英語で「素敵だよ」と口説き文句をさく裂させた。
リラックスする間もなく、トムは「早く終わった」のにもう行く時間になってしまった。ジャケットに腕を通しながら「ここ数週間は忙しくなると思う」と言ったトムは、続けて「でも、埋め合わせは必ずするよ」と言い、キラースマイルで女性のことをじっと見つめる。
そして女性が初めて手を見せてトムのスーツの襟を直してあげると、トムは笑いながら今度は何も言わずに玄関に歩き出し、振り向き様に手をあげて颯爽と出て行った。
朝なのに何かが“早く終わって”、女性の分だけ朝食を作ったかと思えば、突然中国語を話し出し、すぐに出て行ってしまう。謎すぎるトムの設定に、不倫相手、スパイ、犯罪者、サイコパスなどと役柄を予想するファンが殺到。
奇妙なのになぜだか何度も見てしまう。そんなトラップにかかる人が続出したことで、このCMは中国にとどまらず世界中で話題になっている。(フロントロウ編集部)