観客とのコミュニケーションに富んだライブ
現在、ワールドツアーで世界を駆け回っているアン・マリーが、初公演のため2度目の来日を果たした。
恵比寿LIQUIDROOM(リキッドルーム)で2日間行なわれる公演は全日ソールドアウト。出だしから満員の観客の熱気が伝わる会場でついに幕開けした初公演1日目は、アンとファンの絆を一層強める、そしてアンのことを好きにならずにはいられないステージとなった。
「Bad Girlfriend(バッド・ガールフレンド)」で始まったステージでは、テンションMAXのアンが動き回り大熱狂。
曲が終わるごとにMCを設けたステージでは、覚えたての日本語を披露したアン。「じつはここに(日本語を)書いてきたの。知ってるフリをしようと思ったけど、ウソは良くないでしょ。じゃあ最初は…コンバンワ…?合ってる?」と日本語に挑戦。
これ以外にも、アンが「ダイスキ!」や「タノシンデル?」と日本語を披露すると、会場からは大歓声が。
この歓声にアンが、「本当は私すごい(発音が)悪いのに、みんな優しいから声援をかけてくれているのかわからないけど(笑)。ダイスキ~」と、ファンをいじりながら会場を楽しませた。
その途中には、ファンの掛け声に1人ひとり返事をしたり、キュートな笑顔で会場の隅から隅まで手を振って挨拶したりする優しさも見せた。
失恋ソングの制作秘話を暴露!
ファンを気遣うシーンが多くみられた公演では、なんと普段は聞くことが出来ない楽曲の制作秘話も聞くことが出来た。
彼氏に浮気されたエピソードを歌った失恋ソング「CIAO ADIOS(チャオ・アディオス)」では、アンは「この曲は本当にダメ男の話」と表現。
ダメ男の歌ばかり書くアンは、「いつか私は幸せになるわ。そしたら音楽作れなくなっちゃうから…、そうならないようにするね。ハハハハ」と自虐も披露。そのうえで「(皮肉に)ハハハ~。これはマジで、マジで、マジで嫌いな男の曲よ(笑)」と紹介すると、観客から「WHY?」と尋ねる声が。
するとアンは、「えっとー…。本当に聞きたい?(会場からイェーの声)オッケー。じゃあ、私たちは出かけてて家に帰る途中だったんだけど、彼は友達とつるむって言ったのね。それは構わなかったの。で、彼が家に帰ってきてベッドに来たから、抱き着いて『楽しかった?』って聞いたわけ。そしたら、彼の胸から別の女の子の匂いがしたの!本当の話よ。本当の話」と制作秘話を暴露。
続けて、「だから私はこの曲を書いた。もしここに浮気したことがある人がいるなら、いないでほしいけど、もし浮気経験があるなら、この曲から私の気持ちがすごく伝わってくると思う。この曲を歌うとすごく感情的になるし、怒りが沸くから、その時はごめんなさいね(笑)」と話して、パフォーマンスがスタート。
会場が同曲の制作秘話を知っただけに、「口紅が襟についてるけど/彼女は友達なの?/じゃあ電話してみなさいよ」という浮気を追求する歌詞になると、会場とアンの心が一丸になっていた。
ファンのリクエストで“KARATE”を披露
公演もラスト2曲に差し掛かったところで、アンがバンドグルーと記念撮影。その時にアンが「イチ、ニー、サン・シー、…ジュー」と1~10まで日本語でつぶやくと、あるファンが「カラテを歌って!」と、日本語で数字を数える歌詞がある楽曲をリクエスト。
これを聞いたアンは、セットリストにない楽曲「Karate(カラテ)」が「入ってないよ…。出来るかな、できる?」とバンドメンバーと相談。
予期せぬ出来事に戸惑いながらも即興で「Karate」を披露し、ファンの突然のリクエストに答えてファンを喜ばせた。
曲の後には「この歌全然歌ってなかった!よかったね!ありがとう。バンドにも拍手をお願い」とバンドメンバーを称賛した。
そして最後に、DJマシュメロとコラボしたヒットソング「FRIENDS(フレンズ)」と、エド・シーランと共作した大ヒットソング「2002」を披露して、大盛り上がりの公演は終了。アンの気遣いがひしひしと伝わる来日公演は大成功で終わった。(フロントロウ編集部)