アメリカ版Vogueの編集長を務め、ファッション業界において権力を握るアナ・ウィンター。雑誌に政治的な要素をいち早く取り入れ、Vogueを先鋭的なファッション誌に仕立て上げたことでも知られる彼女は、これまでにファーストレディを表紙に抜擢するなど、政治情勢についても発信してきた。
アナはこれまでに、第42代米大統領ビル・クリントンの妻であるヒラリー・クリントンや、第44代米大統領バラク・オバマの妻であるミシェル・オバマなどのファーストレディに加えて、上院議員のカーマラ・ハリスなど、数々の政治関係者を表紙に抜擢。
アナ・ウィンターが政治にかける想い
それを背景に、先日CNNの番組で「共和党の人間より、民主党の人間を取りあげることが多いようだけれど、そこに何か意味はあるのか」と質問を受けたアナは、こう答えた。
「私たちは信じているもののために立ち上がって、自分の意見をしっかりと持たないといけないと思います。問題解決に取り組む女性たちを雑誌の中で取り上げてきたのは、彼女たちが真のリーダーだと思っているからです。2016年のクリントンの敗北(※)の後は特に、女性たちがリーダーシップをとることが大切だと感じてきましたし、それをサポートすることが目的です」
※アメリカの大統領選にて民主党のヒラリー・クリントンが、共和党のドナルド・トランプに敗北した。
そして、アナ自身がVogueで取りあげてきたオバマ夫人やカーマラ・ハリスについて「グローバルな視点で見たときに、彼女たちは多くの女性のあるべき姿の象徴であり、インスピレーションを与える存在だと思います」とその選出の背景について話した。
アナはこのインタビューにて、現在のファーストレディであるメラニア・トランプに触れることは一切なかったものの、メラニアが「リーダーシップをとる女性ではない」とほのめかしているのではないかと一部で話題に。
これを知ったメラニア夫人側がアナに激怒。
トランプ夫人側がアナ・ウィンターにご立腹
メラニアのスポークスマンは、このトランプ夫人に対する「無関心」に対してわざわざ声明を発表。
「Vogueの表紙を飾るか、飾らないかは、トランプ夫人を定義するものではありません。アメリカのファーストレディとして彼女がやるべき仕事は、ただの見せかけの写真撮影と表紙よりもさらに意味のあるものですから」
Vogueの表紙を“見せかけ”と話し、まるで雑誌に載ることはメラニア夫人にとって無意味と言うかのような皮肉たっぷりの発言をした。
さらには、「ファッション業界がいかに偏見をもっているかということです。アナが自分に自信のない、心の狭い人間だと示していると思います」と話し、怒りをあらわに。
アナはインタビューでメラニア夫人の名前を出していないのだが、メラニア夫人は強気に反応。それが現在、アナの発言にさらなる注目が集めるという皮肉な結果を生み出している。ちなみにアナは、今のところ何も反応を示していない。(フロントロウ編集部)