2019年「最も影響力のある人」
米TIME誌が発表した2019年バージョンの「最も影響力のある100人」のなかから、6人のセレブが同誌の表紙に選ばれた。
パイオニア、アーティスト、リーダー、アイコン、タイタン(重要人物)の5つのカテゴリーから1人ずつ、タイタンの部門からは2人が表紙に抜擢された。
サンドラ・オー <パイオニア部門>
パイオニア部門から選ばれたのは、サンドラ・オー。
ドラマ『グレイズ・アナトミー』のクリスティーナ役として知名度を確固たるものにしたサンドラは、2019年のゴールデン・グローブ賞でアジア人として史上初めて司会者に抜擢。
ハリウッド映画界で最も権威あるアワードの1つであるゴールデン・グローブ賞の司会者にアジア人として初めて選ばれたサンドラは、ドラマ『キリング・イヴ/Killing Eve』で同アワードのテレビの部ドラマ部門の主演女優賞も受賞した。ハリウッドのショービズにおけるアジア人俳優の道筋を築いたパイオニアとなった。
サンドラを推薦したプロデューサー兼脚本家のションダ・ライムズは、同誌に綴ったメッセージで、「サンドラの絶妙なボケとツッコミは本当に面白い。彼女の功績はとどまることを知らず、彼女の才能は歌い継がれる曲です。そんな性格の持ち主、サンドラ・オーは必ずしも居場所があるとは限らない場所に恐れずに踏み込むことを選んできました。そして今、彼女の才能の力は他者にも居場所を作ります。それは、彼女の足跡をたどる肌に色があるアーティストたちのギフトなのです」と称賛した。
ドウェイン・ジョンソン <アーティスト部門>
アーティスト部門からはドウェイン・ジョンソンが選出。
映画の主演に引っ張りだこのドウェイン。出演するすべての作品がヒットするといっても過言ではないヒットメーカーのドウェインは、他のアーティストもインスパイアする存在。
仕事だけでなく、家族との時間や、自身が設立したThe Dwayne Johnson Rock Foundationを含むチャリティ活動、さらにはジムでトレーニングをしている時でさえ、100%の愛情と情熱を注ぐ。すべてのことに真っ直ぐで一所懸命なドウェインの姿に影響された人は多い。
そんなドウェインのことを、女優のガル・ガドットは「ドウェイン・ジョンソンのような人はハリウッドにいません。彼は撮影現場を暖かさとポジティブなエネルギーで包んでくれる心のこもった人です」と、その人柄を紹介した。
ナンシー・ペロシ <リーダー部門>
女性として、そしてイタリア系アメリカ人として、アメリカで史上初めて野党・民主党の事実上のリーダーであり、副大統領の次に大統領権限を持つ下院議長になったナンシー・ペロシ氏が、リーダー部門から抜擢。
2018年11月に行なわれた米中間選挙では、8年ぶりに民主党を多数党にすることに貢献。さらに、この選挙ではイスラム教徒やネイティブ・アメリカの女性議員が初登院し、女性議員が初めて100人を超えた。過去にないほど多様な顔ぶれの議員構成で女性の政界進出を推し進めた。
アメリカで最もパワフルな女性として支持されるペロシ氏について、ヒラリー・クリントンは「こんなことわざがあります。“何かを成し遂げたいなら、多忙な女性に頼みなさい”。仕事を成し遂げないといけない時、たいていの場合は女性が必要だということを、ナンシー・ペロシが証明しています」と、称えている。
テイラー・スウィフト <アイコン部門>
アイコン部門から表紙に選ばれたのは、テイラー・スウィフト。
シンガーとして同誌の表紙に唯一選ばれたテイラーは、何百万人もの人に親近感を与え感情を揺さぶる歌詞を生み出す才能の持ち主。多くの人々を魅了し、希望を与えるテイラーの存在はアイコンそのもの。
常に第一線を走る続けるテイラーのツアーに同行したこともあるショーン・メンデスは、テイラーの影響力を紹介するコメントで、「覚えている限り、ずっとテイラー・スウィフトのファンですが、僕は彼女に実際に会うまで、彼女の本当のすばらしさを理解していなかった」と、親密になればなるほどテイラーの偉大さを知ることが出来たと話した。
モハメド・サラー <タイタン部門>
その分野や国における重鎮、重要人物、偉大な人物と称されるタイタン部門に選ばれたのは、モハメド・サラー。
リヴァプールFCに所属するエジプト出身のサッカー選手のモハメドは、エジプトで絶大な人気を誇るモハメドは、2018年に行なわれた同国の大統領選で、立候補すらしていないのに現職の大統領の次に票を獲得するほどの存在。
そんなモハメドを、コメンテイターのジョン・オリバーは、「モハメドはエジプト市民と世界中のイスラム教徒のアイコン的存在です。にもかかわらず、彼は気取らず、常にひたむきで、思いやりがあり、人々を楽しませる」と紹介した。
ゲイル・キング <タイタン部門>
そしてもう1人、タイタン部門から表紙に選ばれたのは、米CBSのジャーナリストのゲイル・キング。
未成年を含む複数の女性を性的虐待した疑いで告発されている大物ラッパーのR.ケリーにインタビューし、ケリーが興奮した時も恐れずに厳しい質問で真実を問い詰めたことで記憶に新しいゲイル。
どんな人にも耳を傾け、真実を突き止めようとする姿勢に多くの人が影響された。
ゲイルを推薦した映画監督のエイヴァ・デュヴァーネイは、「ゲイルのことで多くの人が理解していないことといえば、彼女の持つ他者との完璧な距離感は、一流のジャーナリストしか持てないスーパーパワーです」と、説明した。
(フロントロウ編集部)