※この記事にはシーズン8第3話のネタバレ動画が含まれます。視聴後にお読みください。
現在最終章となるシーズン8が放送中のドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。
日本時間4月29日に放送された第3話では、最大の脅威と言われたホワイトウォーカー対人間の死闘が映画・ドラマ史上最長の60分を越える大迫力のバトルシーンによって描かれた。
しかし、リアルタイムで同エピソードを見ていた視聴者たちからは、激しい競り合いや人気キャラクターたちの勇姿を収めたシーンのほとんどが、「画面が暗すぎてよく見えない」、「なんでこんなに真っ暗なの?」と焦りと嘆きのコメントが続出。SNS上では、あまりにも画面が暗いことをネタにするインターネットミーム(※)がいくつも誕生した。
※※ネット上で流行する画像、ネタ、言葉などの総
さらには、あるユーザーが、エピソード内で最も暗かったシーンの画面を明るく補正したバージョンの動画を公開。たくさんのファンたちから「ありがとう!」、「あのシーンはこうなってたのか! 」と喜びの声が上がった。
『ゲーム・オブ・スローンズ』の映像がほかの作品と比べて格段に暗いというのは、今に始まったことではない。これまでに放送されたエピソードにも、思わずテレビの明度設定をいじりたくなるほど暗い場面がいくつも含まれていた。
では、同作の映像がこんなにも暗く作られているのはなぜなのだろうか?
過去に計8話の照明を担当した撮影技師のロバート・マクラクランは米Insiderにその理由をこんな風に明かしている。
ロバートは、映像が全体的に暗いのは、現在の映画やドラマにおけるトレンドに習っているからだとしながら、「可能な限り自然なライティングを演出したいから」と説明。
電気やガスが通っていない架空の世界を舞台にした『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影現場では、現実味のある映像に仕上げるため、あえて照明器具を使わず、自然光やキャンドルの光のみのもとで撮影が行われることもあると明かした。
さらに、シーズン8第3話の放送後、視聴者からクレームが殺到したことを受けて、同作の撮影監督を務めるファビアン・ワグナーは「問題は、多くの人々が自宅のテレビを正しくチューニングする方法を知らないことだ。それに残念ながら、多くの人々が小さなiPadを使って観ていたりするからね。そりゃあ、作品をちゃんと満喫することはできないよね」と少し開き直ったように反論している。
画面が真っ暗だろうが、トイレに行くタイミングが見つからないほど長いエピソードだろうが、とにかく視聴者を魅了してしまう『ゲーム・オブ・スローンズ』。「え、どうなってるの?」と思わず目を凝らしたくなる“暗さ”も、手に汗握るドキドキ・ハラハラ感に貢献しているのかも。(フロントロウ編集部)