メットガラで男女の垣根を超えたスタイルが人気
2019年のメットガラでは、「芝居がかったもの」や「人工的なもの」といった意味の「キャンプ:ファッションについてのノート」という少し複雑なテーマにもとづき、セレブたちは例年よりド派手なスタイルを楽しみ、華やかに着飾り話題になった。
なかでも今年はジェンダーレス、ジェンダーフルイドファッションという、‘女性的なスタイル’‘男性的なスタイル’という概念を超えたファッションで登場するセレブが多く、今の時代を象徴するようなメットガラになり、多くの人がジェンダーレスファッションに魅了された。
ファッション界では‘ジェンダーレス’が拡大中
近年ファッション界ではジェンダーレスファッションというワードは、かなり大きなテーマの1つとして掲げられており、人気ファッショニスタやセレブだけでなく、多くの人が‘女性用’‘男性用’などのくくりに縛られることなく自由にファッションを楽しみ、ブランド側もジェンダーにとらわれることないアイテムをリリース。
ファッションショーでも、男女が合同になったり、今まで女性のものとしての認識が強かったスカートを男性がランウェイで履き、男性のものとして認識されていたスーツなどのアイテムを女性が身にまとったり、ジェンダーフルイドやジェンダーレスという言葉がファッション界でも珍しいものではなくなってきている。
実際にトム・ブラウンが発表した2018年の春夏コレクションでは、「服のシルエットはなぜ身につける性別と直結しなければいけないのか」や「着たい服を着ていいんだ」というメッセージが込められており、ランウェイに登場する服はどれもジェンダーフルイドのアイテムばかりだった。
さらにシンガーのセリーヌ・ディオンが手掛ける子供服ブランドCélinununuでは、ジェンダーに縛られることなくファッションを楽しんで欲しいとのことで、ジェンダーレスなデザインがコンセプトとして掲げられている。
メットガラのジェンダーレススタイルを紹介
メットガラという1年に1度のファッション界のお祭りをジェンダーレススタイルで参加した7人のセレブを紹介。
ハリー・スタイルズ
2019年のメットガラで共同ホストの1人だったハリー・スタイルズは、グッチのフェミニンなディテールのアイテムを選びジェンダーレスコーデを披露。左耳には、ティアドロップ型のパールを使ったイヤリング、2色使いのネイルなどとことんこだわったスタイルに。
マイケル・ユーリー
男女の2面性で遊んだマイケル・ユーリーは、見ての通りドレスとスーツを半分にしたクリスチャン・シリアノのアイテムを身に着け、会場を魅了した。
ハミッシュ・ボウルズ
米Vogueの編集主幹を務めるハミッシュ・ボウルズは、メゾン・マルジェラのゴージャスなケープに身を包み登場。ケープの下のパープルのセットアップも他のものとはくらべものにならないほどデコラティヴなアイテムをチョイスし、そのセンスを見せつけた。
ザジー・ビーツ
映画『デッド・プール』などに出演する女優のザジー・ビーツは、マイケルとは違い、前後で男女の2面性を表現。ザジーが着用したトム・ブラウンの衣装は、前から見るとタキシードだけど、後ろから見るとウエディングドレスになっている。
エズラ・ミラー
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』などに出演するエズラ・ミラーは、バーバリーのアイテムを着用。ストライプのスーツの上からビジューのコルセット、そして下半身には、長く揺らめくトレーンをセットし、メイクだけではなくファッションでも話題をさらった。
キーナン・ロンズデール
米Vogueに掲載されたメットガラの告知記事で、美しいドレス姿をお披露目したキーナン・ロンズデールは、今季トレンドのネオンカラーをポイントに、1,500羽の蝶がついたマニッシュ・アローラのワンピースを着用。トレーンが長いワンピースで、迫力をだした。
マーク・ジェイコブス
ブラックスーツに身を包んだマーク・ジェイコブス。パンツはあえてワイドパンツをチョイスし、シルエットを見せないスタイルに。また足元は網タイツを履いてオープントゥーのパンプスを履き、デザイナーとしてのジェンダーレススタイルを体現。
ジェンダーフルイドファッショは、このような公の場所でも着用されるほど、ファッション界では拡大しているスタイル。このような知名度や影響力があるセレブは、自らジェンダーフルイドやジェンダーレススタイルの先駆者となり、ファッション界全体のみならず世間を巻き込んでファッションを自由に楽しむことを伝えている。(フロントロウ編集部)