ジョージア州に住むある女性が、外出先のサウス・カロライナ州のコンサインメント・ストア(※)で子供にプレゼントしようとレゴ(LEGO)・ブロックを購入。
※委託販売を行うリサイクル・ショップの一種。状態の良いものを新品より安く買えると同時に、自宅に眠る不用品をお金に換えることも可能なため海外で人気となっている。
帰宅後、女性から手渡されたレゴの箱を開封した子供が発見したのは、お馴染みのプラスチック製のブロックではなく、なんと大量の「メタンフェタミンだった」。
メタンフェタミンとは、見た目が水晶に似ているため別名“クリスタル・メス”とも呼ばれる中枢神経興奮作用をもつ依存性の高い覚醒剤。もしも誤って子供が口に入れたりしてしまったら、大変なことになる危険薬物として知られている。
箱の中身が覚醒剤だとは知らずに州を越えて移送してしまった女性は、あわててレゴの箱に入っていたメタンフェタミンをそのままの状態で現地の警察に届け出た。
警察の捜査によると、レゴの箱に入っていたメタンフェタミンの流通価格は推定4万ドル(約439万円)。きちんと封がされ、さらにその上からビニール製のラップで包装されていたというこの箱は、さまざまな偶然が重なって女性が購入したコンサインメント・ストアに辿り着いた可能性が高いという。
違法薬物などの売買を行なうドラッグディーラーは、足がつかないよう、薬物が入った小包を空き家や現在は使われていない住所などを送り先にし、“運び屋”が現地に取りに行くようにすることが多いという。しかし、郵便局員はあらかじめ機能していないとわかっている住所には荷物を届けないため、小包は郵便局の倉庫で一定期間預かられることになる。
預かり期間が過ぎた荷物は、その後、ほかのアイテムと一緒に倉庫一掃オークションなどにかけられる。そして、競り落とされた商品は全米各地のコンサインメント・ストアやリサイクルショップなどで販売されることも多い。
現地麻薬取締局は、今回のレゴもそういったケースで発見に至ったのではないかと推測している。
アメリカでは薬物の移送は罪。しかし、メタンフェタミンが入ったレゴの箱を知らぬ間に240㎞以上移送してしまった女性も、これを販売してしまったコンサインメント・ストア側も罪に問われることはないという。(フロントロウ編集部)