世界中のファッショニスタやセレブから人気を誇るブランドのグッチ(GUCCI)やバレンシアガ(Balenciaga)、サンローラン(Saint Laurent)、アレキサンダー マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)などの大手ブランドを所有するフランスのケリング・グループが、先日新たな試みについて発表した。
未成年モデルの起用を禁止
同ブランドを率いるフランソワ・アンリ・ピノー会長はプレスリリースにて、「グローバルなラグジュアリーブランドとして、私たちが発信するイメージが、若者に与える大きな影響について認識しています」として、未成年(※)モデルの起用を2020年の秋冬コレクションより中止することを表明。
※世界的な基準だと、成人年齢は18歳という国が多い。
さらに会長は「私たちには、ラグジュアリーブランドにおいて最善の選択をする義務があると信じており、それがほかのブランドを促進するような動きを作っていきたいと思っています」と話している。
ファッション業界の課題
若いモデルの起用における問題点が浮き彫りになったのは2017年10月、当時14歳だったロシア出身モデルのヴラダ・ジュバがファッションショー中に倒れ、過労死が原因で亡くなったのがきっかけだった。
ファッション業界では長い間、未成年のモデルを起用することは当たり前で、実際に多くのスーパーモデルがそれより若い年齢でキャリアをスタートしている。シンディ・クロフォードの娘として知られる人気急上昇中のカイア・ガーバーは現在17歳。ケンダル・ジェンナーやテイラー・ヒルなど、人気モデルたちは14歳という若さでエージェンシーと契約を交わし、モデル業を開始している。
そんななか、ファッション業界では雑誌VOGUEを出版するコンデナスト社が、未成年について書かれた記事を除き、18歳未満のモデルを紙面に起用しないことを昨年決定。ファッション業界がどのように課題に取り組んでいくのか、注目が集まっている。(フロントロウ編集部)