“ドロ沼化”している俳優のジョニー・デップと元妻で女優のアンバー・ハードの裁判で、ジョニーがアンバーの主張を全面的に否定する陳述書を裁判所に提出した。(フロントロウ編集部)

ジョニーがアンバーの主張を完全否定

 俳優のジョニー・デップが、2016年に「和解しがたい不一致」を理由に離婚を申請し、同年に示談というかたちで離婚が成立した元妻で女優のアンバー・ハードに「名誉を傷つけられた」として、約56億円(5,000万ドル)の損害賠償金を求めて起こした裁判で、今回新たに裁判所に提出した陳述書のなかでアンバーへの暴力行為を全面的に否定した。  

 「2016年5月、ハード氏が私に対する一時的な接近禁止命令を裁判所に申し立てるために、“偽物のアザ”を描いて裁判所に出廷したあの日から、私は彼女の主張に対して激しく抗議してきました。目撃者の証言や監視カメラの映像からも、裁判所を訪れる前の週にはアザがなかったことは明白です。彼女の主張を私は一生をかけて否定するつもりです」 

 書面の中で、アンバーがジョニーから受けた暴力によってできたと言っていたアザは、メイクか何かで偽装した「偽物のアザ」であると指摘したジョニーは、続けて自身をめぐるDV疑惑について、「ハード氏はおろか、女性に対して暴力を振るったことは一度もありません」と完全否定。結婚前から日常的にジョニーからDVを受けていたというアンバーの主張に、真っ向から対立する姿勢を見せた。

DVの被害者は「自分」と主張

 さらに、ジョニーはこの陳述書のなかで、DVの被害者はアンバーではなく「自分」であると主張。お酒にドラッグ(薬物)を混ぜて飲んだアンバーから暴力を受けることが度々あったと記した。

 「彼女は加害者で、私は被害者です。ハード氏は、医師から処方されたアンフェタミンと処方箋ではない薬をお酒に混ぜて飲み、私に対してドメスティック・バイオレンス(DV)にあたる暴力行為を数えきれないほどはたらきました。第三者が見ている前で行われることもありました。(アンバーから受けた暴力によって)体に深刻な傷を負ったこともあります」

 こう語ったジョニーは、アンバーから受けた暴力の具体的な内容についてこのように説明している。

 「彼女は私を叩いたり、殴ったり、蹴ったりしました。私の体や頭に向かって物を投げつけてくることもしょっちゅうありました。(アンバーが投げたのは)大きいボトルやソーダの缶、まだ火がついているキャンドル、テレビのリモコン、シンナーの缶などです」

画像: DVの被害者は「自分」と主張

 ジョニーの言い分ではアンバーには結婚前からDVの兆候があり、婚前契約を結ぶ際、契約内容に不満があったのか、突如激高したアンバーからウォッカのボトルを投げつけられ、その時にとっさに手を出したところ指の先端を負傷。

 かなり深刻な傷だったそうで、指の形を元に戻すために3度にわたって手術を行なったうえに、感染症にかかる危険性もあったという。ジョニーは当時を振り返って、陳述書の中で「指や腕だけでなく、人生も失うかもしれないという恐怖に怯えた」と綴っている。

ベッドに残された「排泄物」で離婚を決意

 また、ジョニーは離婚を決意するきっかけとなった、アンバーと彼女の友人による“許しがたいイタズラ”についても言及。

 「ハード氏の視界から自分の存在を消し去った2016年4月21日の翌朝、ハード氏もしくは彼女の友人の1人が(音楽フェスの)コーチェラへと出かける前に、私のベッドの中で排便をするという質の悪いイタズラを仕掛けました。ハード氏から数年間に及ぶDVによって苦しめられていた私は、4月21日に受けた暴力と、その次の日の朝に私のベッドに残された排泄物を見て、ハード氏と離婚することを決意しました」

 ちなみに、アンバーの代理人は、これらのジョニーの主張を受けて米Peopleに寄せた声明文の中で、「証拠は十分そろっています。ジョニー・デップはアンバー・ハードに繰り返し暴力を振るった。以上です」と一蹴。ジョニーがアンバーに対して訴えを起こしたのは、DV疑惑によって地に落ちた自身の評判とキャリアを“復活させるためである”とぶった切った。

 あのドロ沼離婚劇から約3年が経った現在も、平行線をたどっているジョニーとアンバーの主張。今回、ジョニーがこれまで公にされてこなかったエピソードを明らかにしたことによって、さらにバトルが激化することも予想される。(フロントロウ編集部)

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