アメリカ海軍の潜水艦フロリダには、男性クルー141人と、女性クルー32人が乗船している。そんな閉ざされた空間で、女性に対する深刻なセクハラが横行していたことが明らかになった。
ことの発端は2018年の6月。ある男性クルーが女性クルーに、紙に印刷された「レイプリスト」を報告。レイプリストは2枚あり、1枚は女性クルーをランキングしたもので、もう1枚は、女性乗組員の外見、性格、そしてその女性に対してどんな性的行為をしたいかを書いたものだったそう。レイプリストは、潜水艦のコンピューター・ネットワークに保管され、数週間に1回の頻度で、一部の男性クルーによるランキング投票が行なわれていたという。
女性にランキングをつけ、さらには一方的な性的妄想を男性間でシェアしていることを知った女性クルーは、すぐに潜水艦の男性司令官に報告。しかし司令官は、「ただの紙切れを持っていただけ」と調査することを拒否。その後、形式的な調査は行なったものの、問題の解決には至らなかった。
逃げ場のない空間で、男性クルーによる自分たちへのセクハラ行為に気がついてしまった女性クルーたちは、「恐怖、怒り、そして嫌悪感」に包まれたという。同僚である男性クルーのことを信じたくても、「全ての男性クルーを疑ってしまう」状況だったと、ある女性クルーは調査官に明かしている。
アメリカ海軍が米Military.comに報告したところによると、調査を拒否した司令官は管理責任能力の欠如を理由に解雇され、少なくとも2人の乗組員が懲戒免職処分を受けた。そして何人かが、懲罰の対象になった。
アメリカの潜水艦を巡っては、2014年に約1年にもわたって女性クルーたちの着替え風景やシャワーを浴びている様子を男性クルーが盗撮していたという事件が起きていた。(フロントロウ編集部)