仕事上の元パートナーが「裏の顔」を暴露
元ディズニースターで女優のヒラリー・ダフの婚約者として知られる、シンガー兼プロデューサーのマシュー・コーマが、「スペクトラム(Spectrum)」や「クラリティ(Clarity)」といったヒット曲をともに生み出した、人気DJのゼッドに手柄を独り占めされたことを自身のインスタグラムで暴露。これまで悪い噂はおろか、熱愛報道すらほとんど出たことがないゼッドのクリーンなイメージを覆すブラックなエピソードの数々に、衝撃を受ける人たちが続出している。
2012年発売の「スペクトラム」に続き、ゼッドがその名を世界中に知られるきっかけとなった、2013年発売の大ヒット曲「クラリティ」でもゼッドとコラボしたマシューは、ゼッドがまだレコード会社と契約してデビューする前から、仕事上の良きパートナーとして一緒に頑張ってきたという。しかし、売れっ子になったゼッドがあるインタビューで、マシューが歌詞とメロディーを書いた曲を「僕が歌詞を書いた曲」と言ったことで、2人のあいだに不穏な空気が…。
マシューいわく、「スペクトラム」はマシューの歌声が入っているにもかかわらず、最初はノーギャラだったそうで、交渉に交渉を重ねた末、2~3年経ってからようやくギャラが支払われることになった。
その後もゼッドによる恩を仇で返すような仕打ちは続き、日本で一緒に「ファインド・ユー(Find You)」を制作している際に、急にゼッドから一方的に「ボーカルを担当してほしくない」と言われたことも。しかし、結局ギリギリになっても代役が見つからなかったのか、マシューはクリスマス当日に駆り出されてレコーディングをするはめになったという。
極めつけは、「クラリティ」が音楽業界で最も権威ある賞と言われるグラミー賞にノミネートされ、見事受賞した時のこと。この曲をより良いものにするために二人三脚で頑張ってきた功労者のマシューのことを、ゼッドはグラミー賞の授賞式に招待せず、存在を無き者に。その件について、マシューは今回の“暴露投稿”で、「あの曲を気に入ってくれた何百万人という人たちは、僕が書いた歌詞や、その歌詞を通じて表現した感情、そしてメロディーに心を通わせてくれたはず。でも、彼(ゼッド)は、僕は称賛されるに値しないと思ったみたい」と悔しさをにじませた。
さらにマシューによる暴露は続き、『The Making of Zedd(メイキング・オブ・ゼッド)』というゼッドのドキュメンタリー映画が公開された際、これまでゼッドとコラボしたことがあるアーティストのなかで、唯一マシューだけがプレミアに招待されなかったことなども明らかに。
また、以前、ゼッドと一緒にテレビ出演をした際、体調が優れなかったマシューがゼッドに「キー(音程)を下げてほしい」とお願いしたところ“断られた”という話では、「(ゼッドは)Cのキーでしかピアノを弾けないから、移調機能がないキーボードだと対応できないんだ。世間で定着してる“天才クラシックピアニスト”というイメージとは矛盾するよね」と、ゼッドのピアノ演奏者としての能力にケチをつけた。
手柄の横取りは音楽業界では“あるある”?
それでもしばらくのあいだは、「自分にも悪いところがあったのかもしれない」と思っていたというマシューだが、その後、何人もの素晴らしいプロデューサーやアーティスト、DJと一緒に仕事をするうちに、悪いのは自分ではなく、ゼッドが「最悪の人」であることを確信したという。
ヒット曲を何曲か世に送り出し、何億、何十億という大金を手にしたら、普通は「周りの人にもっと親切にしようとか、夢を叶える手助けをしようとか思うものだ」と語ったマシューは、ゼッドとヒット曲を生みだした後に出会った人たちはみんな真剣に仕事に取組み、自分に対しても「敬意を払ってくれた」と、遠回しにゼッドのことを批判。
ただし、マシューいわく、今回彼が暴露したような話は音楽業界では決して珍しいものではなく、残念ながら「よくあること」だといい、この投稿を見たシンガーのビービー・レクサは「音楽業界が抱える悲しい闇の部分ね」と同意。ダンス・ポップデュオのザ・ノックス(The Knocks)も、「こういうクソみたいなことが、当たり前のように起きてることをみんなに知ってもらうためにも、もっと声を上げるべきだ」とコメント。
さらに、人気DJデュオのザ・チェインスモーカーズと大ヒット曲「ローゼズ(Roses)」でコラボした、シンガーのロゼス(Rozes)は、「私にもあなたのように声を上げる勇気があったらよかったのに。あなたの話は、私たちのように名のあるDJやプロデューサーから不当な扱いを受けたことがあるけど、声を上げる勇気がないすべての人たち(私のこと)の思いを代弁してくれた」と、意味深なコメントを残している。
今回の件に関してゼッドは沈黙を貫いており、マシューの主張に対して肯定も否定もしていない。(フロントロウ編集部)