6月7日~9日は、アメリカの多くの人がオレンジ色を身につける。なぜオレンジ色を身につけるのか。その裏にはアメリカの社会が抱える問題があった。(フロントロウ編集部)

アメリカがオレンジに染まる週末

 ここ数年、バラク・オバマ元米大統領をはじめ、女優のアン・ハサウェイ、シンガーのホールジー、リアリティスターのキム・カーダシアン、女優のブライス・ダラス・ハワード、デザイナーのザック・ポーゼンなど、多くの著名人がこぞってオレンジ色のアイテムを身につけている写真をSNSにアップしてきた。

 彼らがなぜオレンジ色のアイテムを身につけているかというと、これは銃暴力に抗議するため。

 きっかけは、2013年に銃で撃たれて亡くなった女子高生ハディヤ・ペンドルトンの友人たちが、オレンジ色を身に着けて銃による暴力の啓もう活動を行ったこと。オレンジは、森で狩猟を行うハンターたちが、同業者たちに誤って狙撃されるのを防ぐために着用する色だということから、この色が取り入れられたと、銃規制を訴える団体We Wear Orangeが説明している。

 そのためここ数年、銃による暴力啓発デー(National Gun Violence Awareness Day)に、オレンジを身に着ける「Wear Orange(オレンジを身に着けよう)」というムーブメントが広がっている。

アメリカの銃問題について

 アメリカでは、2019年に入り銃による事件が2万3,000件以上発生し、6,000人以上が死亡。その中には、250人以上の0~11歳の子供と、1,100人以上の12~17歳の子供が含まれていると、アメリカ国内の銃関連の事件や死亡数を研究するGun Violence Archiveが明かしており、銃によって多くの若者の命が奪われている。

 2018年はアメリカで銃規制を訴える大規模なデモ「March for Our Lives(命のための行進)」が行なわれ、今まで以上に銃規制を訴える動きが活発になっており、FOID(Firearm Owner's Identification)と呼ばれる許可証と居住証がないと銃を購入出来ないという州も増えてきているが、前述のとおり銃による死亡件数はいまだ高い。

 2019年も銃による暴力啓発デーにオレンジ色のアイテムを身につける活動は行なわれ、6月7日~9日は、アメリカ各州で銃規制を訴えるイベントが行なわれる予定となっている。(フロントロウ編集部)

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