キャスト全員の思いが込められたキスの意味
現地時間6月10日に米ニューヨークで行われたミュージカルの祭典「トニー賞授賞式」で、レズビアンの高校生2人が主人公の人気ミュージカル『The Prom(ザ・プロム)』に出演するケイトリン・キナネンとイザベル・マッカラが、パフォーマンスの最後にキスをしたことが大きな話題となっている。
じつは、『ザ・プロム』のキャストには、昨年11月に地上波で放送されたサンクスギビング(感謝祭)のパレードで“女性同士のキス”を披露して、一部の人たちから批判を浴びた過去が。
アメリカでは同性婚が認められているなど、日本よりも同性愛者への理解があるイメージだが、一方で同性愛や同性愛者に対して嫌悪感や拒絶反応を示す人たちもいまだに多く存在しており、とくに地上波で放送されているテレビドラマなどで同性愛を描写する際は、最大限の配慮と細心の注意が必要とされているほどセンシティブ。
トニー賞の授賞式も地上波放送だったため、また批判にさらされる可能性があったにもかかわらず、なぜキスにこだわり続けたのだろうか?
その理由について、『ザ・プロム』の演出を担当するディレクターのケイシー・ニコロウはこう語っている。
「誰かと恋に落ちたらキスをする。ただそれだけのことさ。もちろん同性同士のキスは一部の人たちから批判を浴びることもある。けれど、その10倍の人たちから、『ありがとう』『“私たち”も世の中の一員になれた気がする』『これが当たり前になりますように』といった声が届くんだ。(自分たちが矢面に立って同性愛を描くことで)みんなからたくさんの愛とサポートをもらっている」
続けて、『ザ・プロム』が同性愛をテーマにした作品でもあることから、反対する人は1人もおらず、キャストとスタッフ満場一致でキスをすることになったと明かした。(フロントロウ編集部)