“モードの帝王”と呼ばれたカール・ラガーフェルド(享年85歳)の急逝から約4カ月が経ったパリ現地時間の6月20日、彼が生前にアーティスティック・ディレクターとして指揮をとったシャネル(CHANEL)、フェンディ(FENDI)、そして自身の名前を冠したカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の3ブランドによる共催で追悼イベントが行なわれた。
カールが幾度となくコレクションのお披露目の場に選び、夢のような世界観を表現してきたパリ9区にあるグラン・パレで行なわれた『カール・フォー・エヴァ―(Karl For Ever)』と銘打たれたメモリアル・イベントには、生前彼が寵愛していたモデル兼女優のカーラ・デルヴィーニュやモデルのジジ・ハディッド、ミュージシャンのファレル・ウィリアムズ、女優のティルダ・スウィントン、ヘレン・ミレン、マクロン仏大統領の妻ブリジット夫人らを含む1000名を超えるゲストが出席。日本からはデザイナーの高田賢三やアーティストの村上隆らが参列した。
カールのテーマカラーであるブラック&ホワイト、そしてレッドを差し色にした会場内には、彼の生涯を振り返るアイコニックなポートレートの数々が掲げられ、ステージでは彼と親交が深かったアーティストや著名人がカールが愛したポエムや文学、音楽などを披露した。
ほかにも世界的ピアニストのラン・ランがカールがピアノメーカー、スタインウェイの150周年を記念してデザインしたピアノを使ってショパンの名曲を演奏したり、タンゴダンサーたちが華麗な舞いを披露したりと、音楽や芸術に造詣が深かったカールらしい式典となった。
生前、葬式嫌いなことで知られていたカール。90分間におよんだパフォーマンスのフィナーレでは、そんな彼の有終の美を称えるため、出演者たちが集結。笑顔で天国のカールに賛辞と感謝を送った。