自身の名を冠したファッションブランド「ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)」のデザイナーを務めるスパイス・ガールズの元メンバー、ヴィクトリア・ベッカム。
そんな彼女は、エイズやHIV対策を行なう国連団体UNAIDSでグローバルアンバサダーを務め、2016年には自身のブランドでエイズ撲滅のためのチャリティTシャツを販売。また、2018年には貧困の子供たちのためのチャリティTシャツをデザインしたこともある。
そんな彼女が、新たなチャリティTシャツを完成させた。
今回のヴィクトリアのチャリティTシャツは、LGBTQ+コミュニティに向けて制作されたもの。シンプルな白のTシャツには、レインボーの文字でこのような言葉が。
「EVERYONE DESERVES LOVE(すべての人に、愛の価値がある)」
じつは今年2019年は、LGBTQ+史にとってとても大事な年。
今から50年前の1969年アメリカには、「ソドミー法」という同性愛を禁止する法律があった。しかしアメリカのニューヨークの一角には、すでに多くのゲイバーが。そんなある日、ゲイバーのストーンウォール・インに警察が突然の立ち入り捜査を決行。とはいっても、当時の社会ではLGBTQ+当事者が逮捕されることは日常茶飯事だった。しかし、この日はすこし様子が違い、そこに居合わせた200人を越えるLGBTQ+当事者たちが、警察に対して真っ向から反発。警察側も応援を呼び、警察400人対LGBTQ+コミュニティ200人の大暴動に発展した。この事件をきっかけに、LGBTQ+の平等の権利を訴える活動は活発化することに。現在では、この事件は「ストーンウォールの反乱」と呼ばれ、LGBTQ+コミュニティが初めて権力に対して立ち上がった事件として、LGBTQ+史に刻まれる出来事となっている。
そんな出来事から、今年で半世紀。
そんな節目の年を祝福したかったというヴィクトリアは、「ストーンウォールの反乱から50年を記念して、LGBTQ+コミュニティや、彼らが起こしたポジティブな変化や色々な人を受け入れようとする姿勢を祝福したかったの」と自身のインスタグラムに語る。
また、現在でも24%ものLGBTQ+の若者たちがホームレスを経験し、家族にカミングアウトした当事者のうち77%が家庭内で受け入れてもらえなかったり、虐待を受けたりしていることに心を痛めているというヴィクトリアは、Tシャツの売り上げの25%をLGBTQ+の若者を助けるために活動しているチャリティ団体Albert Kennedy Trustに寄付するという。(フロントロウ編集部)