あるサイクリストが、歩きスマホをしていて道路に飛び出してきた女性に訴えられてしまった。しかしそんなサイクリストに、多くの支援が集まる事態となっている。(フロントロウ編集部)

 2015年7月、ロンドン中心部を自転車で走っていた男性は、歩きスマホで道に飛び出してきた女性とぶつかってしまう。その衝撃で、2人とも意識を失い、病院に運ばれるほどに。

 信号は、自転車の男性に向けて青く光っていたそう。

画像1: 「歩きスマホ」で道に飛び出した歩行者ひいた自転車が裁判で負ける、しかしその後...

 歩行者に対して自動車や自転車に厳しい日本の法律と違い、イギリスは非がある方が立場が弱いのが一般的。男性に非はないように思えるこの事件だけれど、男性は相手の女性から提訴されてしまった。そして先日行なわれた裁判で、裁判官は驚きの判決を下した。

 裁判官は男性を、「丁寧でルールを守るサイクリスト」であるとしながらも、「サイクリストは、いかなる時も、人々の予想外の行動に気を配らなくてはならない」と発言。そしてこの事件では、男性と女性2人に「平等に責任がある」と決定づけた。しかし男性は反訴していなかったため、この裁判では「女性だけが損害賠償を受け取ることになる」とした。

 この判決によって男性は、女性が事故によって受けた治療の代金として約60万円、女性側の裁判費用として約140万円、そして自分の裁判費用として約100万円の合計300万円以上を支払わなくてはいけないことに。

 その判決を聞いた直後、男性は自己破産を考えたと自身のツイッターで明かす。

画像2: 「歩きスマホ」で道に飛び出した歩行者ひいた自転車が裁判で負ける、しかしその後...

 しかし、サイクリストに非情なこの判決を聞いた男性の友人は、男性の法的費用を募るクラウドファンディングを立ち上げることに。6月20日に開始されたクラウドファンディングには、多くの賛同者が集まり、1週間でなんと約4,000人から約800万円もの募金が集まる事態となった。

 この結果を受けて男性は、「こんなにたくさんの支援を受けられると思いませんでした。本当にありがたいです。これが、私や私の愛する人達にとって、どれだけ意味のあることなのか、伝えきれているか分かりません」と、自身のツイッターで支援者にメッセージを贈った。男性は、クラウドファンディングで集められた募金の余りは、チャリティ団体に寄付するという。

 最終的に男性の弁護を担当した弁護士は、高額な損害賠償からサイクリストを守るために早急な法改正を呼びかけている。(フロントロウ編集部)

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