有名下着ブランドのヴィクトリアズ・シークレットのモデルの中でも、ひと握りのモデルしか選ばれないヴィクシーエンジェルを2013年から2015年まで務めた、トップモデルのカーリー・クロス。
歴代のヴィクシーエンジェルには、最も稼いだモデルランキングでトップを飾っていたジゼル・ブンチェンや、日本でも大人気のミランダー・カーなどがおり、エンジェルに選ばれることはトップモデルの証。
そんなヴィクシーエンジェルでありながらも、2015年に突然その役目からの引退を発表したカーリーが、4年の時を経て、初めてその心のうちを明かした。
「ヴィクトリアズ・シークレットと働くのを辞めた理由は、モデルとしての自分が本当の自分を映してないと感じたし、私が世界の若い女性たちに伝えたい美しさとはなにか、というメッセージも表せていないと感じていたから」
ヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルに選ばれるには、外見だけではなく、内面から滲み出る美しさも持っていなくてはいけない。モデルを、ただ商品を身に着けて宣伝する存在ではなく、女性も憧れる発言権のある存在に押し上げたことは、ヴィクトリアズ・シークレットの功績のひとつ。
しかし一方で、ヴィクシーエンジェルはそのほとんどが白人女性であり、さらには細見なモデルばかりで、人種や体型に多様性がないことは確か。モデル業界などではボディ・ポジティビティ(Body Positivity)という、ありのままの多様な体型を祝福しようと呼びかけるムーブメントがここ数年で盛んになっており、ヴィクトリアズ・シークレットはたびたび批判の対象になってきた。
だからこそ、ニューヨーク大学でフェミニズム・セオリーを学んだり、IT業界の女性リーダーを支援する会社を運営したりと、女性をサポートするフェミニストであるカーリーはヴィクシーエンジェルを辞めたことについて、「自分の中のフェミニストとしての力を使えるようになるために、とても重要なことだった」と、フェミニストとして活動していくうえでの第一歩だったと語った。(フロントロウ編集部)