業界人待望のリブート版『ブレイド』
『アベンジャーズ』シリーズが終わり、新たなチャプターに突入したマーベル・スタジオによるMCU。その勢いはとどまるところを知らず、現時点で2020年から2021年までに10もの作品が公開・配信されることが発表された。
そんな作品の制作発表会を兼ねてマーベル・スタジオは、米サンディエゴ・コミコンで最も人気を集める“ホールH”でパネルセッションを行ない、催しの最後の最後に最も重要な発表をするスティーブ・ジョブス方式で、同社長のケヴィン・ファイギが、オスカー俳優のマハーシャラ・アリを主人公にしたリブート版『ブレイド』を制作することを明かした。
1998年から2004年までに3部作が公開されたウェズリー・スナイプス主演のマーベル映画『ブレイド』シリーズは、当時あまり良い成績を残せていなかったマーベルの実写映画として初めて大ヒットを記録した作品であり、今では「元祖マーベル映画」と呼ばれる作品。
『ブレイド(Blade)』
人間とヴァンパイアの混血である黒人男性のブレイドは、吸血鬼のように優れた身体能力を持ちながら、人間のように日の光を浴びられる力を利用し、人間世界を脅かす悪の吸血鬼たちと戦うヴァンパイアハンターとして活動する。
原作コミックでは、スパイダーマンやドクター・ストレンジ、S.H.I.E.L.D.のメンバー、ワスプらといった、すでにMCUで映画化されたキャラクターたちと関わりを持ち、ブラックパンサーの勧めでアベンジャーズの一員として活躍していたこともある。さらには、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でジェレミー・レナー演じたクリント・バートン(ホークアイ)が名乗った“ローニン”の肩書を受け継いだ時期もある。
また、マーベルの世界には、米ソニー・ピクチャーズによって映画化される『モービウス』といった吸血鬼にまつわるキャラクターや、それに派生したストーリーが多く存在する。
『ブレイド』については、『スパイダーマン』シリーズのジョン・ワッツ監督や、『マイティ・ソー』シリーズのタイカ・ワイティティ監督、マーベル公認でファンアートを制作するアーティストのボスロジックといった、MCUにゆかりのある関係者から長年、リブートを望む声が寄せられていた。
そんななか、このタイミングで待望の作品が再び実写化されることになった理由を、ファイギ社長が米Hollywood Reporterに明かした。
じつは『ブレイド』の実写版は、なんと他でもないマハーシャラ本人の発案だったそうで、彼がマーベル・スタジオに直談判したそう。
「マハーシャラが電話したら、出るしかない」
ファイギ社長にそう言わせたマハーシャラは、2019年のアカデミー賞作品賞を受賞した映画『グリーンブック』で自身2度目の助演男優を受賞した後に、自らマーベル・スタジオにアプローチし、ブレイドのリブートの制作を持ちかけたという。
マハーシャラといえば、MCU映画と世界観を共有するNetflixのマーベルドラマ『ルーク・ケイジ』でヴィランのコットンマウスを演じ強烈なインパクトを残したほか、米ソニー・ピクチャーズ制作のアニメ『スパイダーマン:スパイダーバース』でも、声の出演としてヴィランのアーロン・デイヴィスを演じたことがある。
すでにマーベル作品に出演経験のあるマハーシャラの働きかけによって、業界人が映像化を望んだリブート版『ブレイド』がついに実現する。(フロントロウ編集部)