Photo:ゲッティイメージズ、スプラッシュ/アフロ
セレブ御用達のカメラマンとして知られるマーカス・ハイドにヌード写真の撮影を強要されたモデルが、SNSで彼の愚行を告発。それをきっかけに同様の被害を訴える声が相次いでいる。(フロントロウ編集部)

ヌードなら「無料」で着衣なら「有料」

 インテリアデザインの勉強をする傍らモデルとしても活動するサンナヤ・ナッシュ(Sunnaya Nash)が、リアリティスターのキム・カーダシアンらセレブ御用達のフォトグラファーとして知られるマーカス・ハイド(Marcus Hyde)から裸の写真を送ることを要求されたうえに、事前に写真を送らないと“無料では撮影できない”と言われたことを暴露。証拠となるメッセージのやりとりをSNSで公開し、波紋を呼んでいる。

最初にマーカスのことを告発したモデルのサンナヤ・ナッシュ。

 米現地時間7月21日、マーカスが自身のインスタグラムのストーリーにアップした「写真を撮って欲しい人はいる?」というメッセージを見たサンナヤは、“セレブ御用達”という絶対的な肩書きに惹かれ、ダイレクトメッセージを通じてマーカスに連絡。

左側の写真は、マーカスがインスタグラムのストーリーにアップしたメッセージ。サンナヤの証言通り、「写真を撮って欲しい人はいる?(Who wants to shoot?)」と書かれている。

 参考に“服を着た状態”の自分の写真を送ったところ、マーカスから「裸の写真を送ってくれる?」と返事が来たため、サンナヤが「(送ることができる)ヌード写真は持っていない」「下着やセミヌードの撮影なら大丈夫」と返信すると、「じゃあ、費用として2,000ドル(約22万円)必要」という目を疑うようなメッセージが返ってきた。

 驚いたサンナヤが「ヌードならタダ(無料)なの?」と質問すると、マーカスから「ああ」と返ってきたので、サンナヤは「わかった、じゃあヌードになってもいいわ。でも、事前にヌード写真を送ることはできない」と渋々ヌードになることを承諾。ただし、事前に裸の写真を送ることは拒否した。

画像: 渦中の人、マーカス・ハイド。

渦中の人、マーカス・ハイド。

 すると、マーカスから「なら送らなくていいよ」というなんとも投げやりな返信が。その曖昧な返事に対して、「まだ撮影する気はある?」と彼の意思を確認すると、再び「(してもいいけど)費用は2,000ドル」と返ってきたため、あきれたサンナヤが「私がヌード写真を事前に送らないからお金を取るの?」と聞き返すと、悪びれる様子もなく「そうだよ。だって写真を撮る価値があるか確かめる必要があるだろ」と答えたという。

 インスタグラムを使って写真を撮ってもらいたいモデルを募り、ヌードになることを強要するという卑劣な手口に怒りを覚えたサンナヤは、この一連のやりとりをスクリーンショットで撮影した画像をSNSで公開。彼女を訴えを聞いて、過去にマーカスに撮影をされた多くのモデルが“似たような経験をした”と声を上げている。

 以下、サンナヤのもとに届いた、同様の被害にあったという女性たちからのメッセージの一部。

 「あなたの話を聞いて私も声を上げることにしました(中略)。撮影中、彼は私の体を触り、撮影のためだと言って私に自分の陰部を触るよう強要してきました。嫌だったけど、業界ではそれが普通なんだと自分に言い聞かせて我慢しました」

 「(マーカスに写真を撮ってもらった時)彼には乳首だけでなく、胸を晒すのも嫌だからちゃんと服を着た状態で写真を撮ってほしいと伝えてありました。彼はそれでもいいと言ってくれました。けれど、3週間後、彼にインスタグラムでアップした私がタグ付けされた写真をチェックしたら、完全に胸が露わになっていました。彼は私に無断でその写真を撮影し、公開したのです」

 このほかにも、事前にヌード写真を送ったら「それっきり連絡が来なくなった」、撮影した写真を1枚も譲ってもらえず「写真だけ撮られて終わった」という話など、サンナヤのもとには挙げたらきりがないほどたくさんのメッセージが被害者たちから届いている。

“恩人”キム・カーダシアンも憤り

 一連の騒動を受けて、マーカスと長い付き合いがあり、彼を有名にするきっかけを作った“恩人”でもあるキムも憤りを露わにしている。

 「私が過去に仕事をしたことがあるフォトグラファーが、不適切で許しがたい行為を多くの女性に働いていたという話を耳にしました。私は彼のプロフェッショナルな一面しか見たことがなかったので、ほかの女性が私とまったく違う経験をしていたと知って非常にショックを受けると同時に、深い悲しみを感じています。彼に対して心底幻滅しました。

 私は被害にあった女性の味方です。女性がハラスメントを受けたり、不本意なことをするよう強要されたり、圧力をかけられたりすることに、断固反対です。こういった行為を働く人たちがいるという事実をうやむやにするべきではありません。私は勇気を出して声を上げた女性たちを称賛します」

画像: ©Kim Kardashian/Instagram

©Kim Kardashian/Instagram

 「#Cancel Marcus Hyde(マーカス・ハイドは終わり)」というハッシュタグまで誕生するなど、収まるどころか、さらに広がりを見せている今回の騒動。

画像: マーカスに写真を撮ってもらうキム。

マーカスに写真を撮ってもらうキム。

 モデルたちの告発に対してマーカスはダンマリをきめこんでいるが、炎上することを恐れてか、ただちにインスタグラムを閉鎖。現在、彼のページは閲覧できないようになっている。(フロントロウ編集部)

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