スパイダーマンがMCUからいなくなる
映画『スパイダーマン:ホームカミング』と『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でトム・ホランドが演じたスパイダーマンが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)から除外されるかもしれない。
マーベルファンを震撼させた大ニュースは、「スパイダーマン」の映像化の権利を持つソニー・ピクチャーズが、MCUを制作するマーベル・スタジオの親会社であるディズニーがリクエストした契約に関する条件に同意しなかったことから始まる。
6月に日本公開された映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、映画『007 スカイフォール』を抑え、ソニー・ピクチャーズの歴代最高興行収入を更新した。
同作のメガヒットの背景には、ご存知の通り、4月に公開されたMCUの代表作『アベンジャーズ』シリーズの完結編『アベンジャーズ/エンドゲーム』の世界的メガヒットが影響しており、同作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』に大きく関わる展開になったことから、多くのMCUファンが劇場に足を運んだ。
こうしたヒットを受けてディズニーは、MCUに属する『スパイダーマン』シリーズを配給するソニー・ピクチャーズに対して新たな条件をリクエスト。米Varietyによるとディズニーはソニー・ピクチャーズに、公開初日の興行収入の5%とすべてのグッズの売り上げを受け取るという現在の契約から、利益を両社で半分に分配する契約への変更を要求したという。
これについてソニー・フィルム・スタジオのチーフであるトム・ロースマンとマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが何ヵ月も話し合いを続けたが、両社が納得できる同意にまで至らなかったことから、ソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオはパートナーシップを解消するとともに、ケヴィン・ファイギは『スパイダーマン』シリーズのプロデューサーから外されることになったとされている。
これによってファイギは、今後公開される『スパイダーマン』の映画でプロデュースに一切携わることはないと米Deadlineが報じている。
今回の契約の変更に伴い、トムが演じるスパイダーマンが今後のMCUから除外されることが考えられる。
今後のMCUはどうなる?
トムが演じるスパイダーマンは、2つの単独映画のほかに『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ/エンドゲーム』という5つのMCU映画に登場。
シリーズ最終章『アベンジャーズ/エンドゲーム』を最後にロバート・ダウニー・Jr.によるアイアンマンとクリス・エヴァンスによるキャプテン・アメリカというMCUを牽引してきたヒーローが引退したことで、トム演じるスパイダーマンがMCUの次期リーダーとして、今後多くのMCU作に出演することが期待されていたが、それも叶わぬ夢になりそう。
また、『スパイダーマン』シリーズがMCUの世界観を共有しなくなること、そしてファイギ社長が同シリーズのプロデューサーから退くことで、『スパイダーマン:ホームカミング』から3部構成として考えられていた同作の今後のストーリー展開を心配する声もある。
今回の契約について、現段階で新たな話し合いは行なわれていないというが、状況が変化する可能性もあると米Varietyが関係者の証言を伝えている。
マーベル・スタジオは、これからのMCUに欠かせないキャラクターを失うという大きな痛手を負うことになるかもしれない。
スパイダーマンをめぐり難しい状況が続きそうだが、明るい面を見るなら、ソニー・ピクチャーズは、スパイダーマンの天敵キャラクターを描いた、トム・ハーディ主演の『ヴェノム』や、公開を控えるジャレッド・レト主演映画『モービウス』を配給しているため、これらの作品がスパイダーマンと共演できる可能性も考えられる。(フロントロウ編集部)