MTVビデオ・ミュージック・アワードで、テイラー・スウィフトが「Video for Good賞」を受賞し、友人アーティストにスピーチの場を譲った。(フロントロウ編集部)

テイラー友人による感動スピーチ

 現地時間26日に開催された2019年度MTVビデオ・ミュージック・アワード(通称VMA)で、テイラー・スウィフトが「Video for Good賞(ビデオ・フォー・グッド賞)」を受賞。この賞は、社会的メッセージを含むビデオに贈られるソーシャルメッセージビデオ賞が、今年度から名前を新たに変えて登場したもの。

 そんな意味のある賞を、テイラーが社会的メッセージを含ませ、LGBTQ+アンセムとしてリリースした「You Need to Calm Down(ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン)」が受賞。

 大きなアワードでお決まりなのは、受賞スピーチだけれど、ステージに上がったテイラーは、自身が言葉を発することなく、別の人物にマイクを譲った。彼女の代わりに受賞スピーチを行なったのは、テイラーの友人であり、同ミュージックビデオに出演し、さらにプロデューサーも務めたトドリック・ホール。

画像1: テイラー友人による感動スピーチ

 トドリックは、マイクの前に立ち、こう話した。

「ありがとうございます。私はテキサス州のプレーンビューという小さな町で育ちました。そのとき私はただ、『リトル・マーメイド』のアリエルになることだけを夢見ていました。赤いタオルを頭に巻いて、脚を揃えて、プールに飛び込んで、溺れそうになったこともありました。それから、人々は私に、私がやってはいけないことや、この世界で成し遂げられないことはなにか、指図しはじめたのです。でも今、私はただ、私たちがやるべきことができる世界にいることができて、とても感謝しています。いまこのショーを見ている若い子供たちへ、自分がみんなと違うと感じ、理解されないと感じているなら、これほどまで、あなたの芸術やストーリー、そして心に秘めているものを世界にシェアしてほしいと、みんなに対して思ったことはありません。あなたがどんな風に自分を定義しようと、アイデンティティが何であろうと、あなたが誰を愛そうと。VMA、ありがとう。とても光栄です」

画像2: テイラー友人による感動スピーチ

 元々ユーチューバーとして活躍し、ブロードウェイミュージカル『キンキー・ブーツ』に出演するなど、マルチな才能を発揮するアーティストであるトドリックは、これまで自らゲイであることを公言し、HIVに関する啓発運動や若者の自殺防止キャンペーンに参加し、LGBTQ+をサポートしながら活動してきた。そんなトドリックは、これまでぶつかってきた社会からの逆風について触れ、自分と同じように悩んでいる子供たちに声を上げるよう、メッセージを送った。

 ちなみにテイラーが、新曲を通じて、LGBTQ+をサポートする姿勢を見せようと思ったきっかけを与えたのはトドリック。彼に「もし自分の息子がゲイだったらどうする?」と質問されたテイラーは、身近な友人であるトドリックにさえ、LGBTQ+に対する自分の姿勢がハッキリ伝わっていないことにショックを受け、平等への願いを明らかにするため「You Need to Calm Down」の制作に乗り切った。

 そんなテイラーとトドリックの思い入れが強い楽曲が受賞したことを受け、スピーチの最後に2人は壇上でハグを交わし、喜びを分かち合った。(フロントロウ編集部)

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