シンガーのジャスティン・ビーバーがインスタグラムに長文メッセージを投稿し、若くして成功を収めたことによって自身が受けた影響や苦労、さらに過去の薬物使用など、これまでの人生を振り返った。(フロントロウ編集部)

ジャスティンが過去の自分を振り返る

 今年でデビュー10周年を迎えたシンガーのジャスティン・ビーバー(25)が、自身のインスタグラムに長文メッセージを投稿。10代半ばでシンガーとして成功を収めるも、その重圧に耐えられずひそかに苦しんでいたことや、何をやっても満たされない虚無感に襲われていたことを打ち明け、自身がこれまでの経験を通して学んだことを、同じように人生で様々な悩みを抱えて日々葛藤する人たちに向けて綴った。

 以下、ジャスティンのコメント全訳。

 「自分の人生、過去、仕事、責任、感情、家族、金銭状況、恋愛といった様々な事柄に追われている時は、朝ベッドから起きて普通にするのがツラくてならない。ひとつの問題を解決してもまた次の問題が起きて、手が回らないような状態の時はとくに。そういう状況に陥ると、“恐怖”という名のレンズを通して先を見通すようになり、いつかやって来る“悪い日”を予想するようになる。失望を感じ続ける負のスパイラルに巻き込まれていくんだ。絶対に変わらない、変われないと感じて、ふと『もう生きていたくない』と思うこともある。だからこそ、僕は“君”に100%共感できる。

 (自分が絶不調の時)僕は自分の考え方を変えることができなかった。ただ、ラッキーなことに僕の人生には、僕が前へと進む後押しをしてくれる人たちがいた。

 僕はお金を持ってるし、服や車だってたくさん持ってる。数々の賞を受賞し、色々なことを達成して多くの人たちから称賛されている。でも、それでは充実感を得ることができなかった。みんなはチャイルドスター(子役スター)と呼ばれる子供たちが、その後どのような人生を歩んでいるか気にかけたことはある?“意思決定をする場所”と言われる前頭葉がまだ未発達にもかかわらず、彼らの脳や心には信じられないほどのプレッシャー(圧力)や責任がのしかかっているんだ。気を緩めることも、傲慢になることも、反抗することもできない。スターダムにのし上がるためのプレッシャーが人に与える影響はなんとも説明し難いものなんだ。

 僕は安定していない家庭環境のなか育った。僕の両親は18歳の時に別れ、お互いにお金もなく、(世の中に)反抗しているようなタイプだった。僕の才能が開花し、大成功を収めるのに2年もかからなかった。(シンガーとして売れた時は)頭の中で世界がひっくり返ったよ。小さな田舎町出身で、まだ13歳の少年だった僕を世界中の人たちが称賛し、僕は何百万もの人たちから愛され、その実力を称えられた。これを読んでいる君はどうか知らないけど、僕は謙遜というものは年齢を重ねるごとに芽生えてくるものだと思ってる。幼くしてまわりから良いことばかり言われると、本当にそうだと信じてしまうんだ。同様に、ある程度の年齢に達しないと、的確な判断や意思決定はできないと思う(アメリカで21歳にならないとお酒が飲めないのもそれが理由のひとつじゃないかな)。

 まわりの大人たちが僕のために何もかもすべてやってくれたから、僕は“責任を持つ”ということの根本すら学んだことがなかったんだ。そして18歳になった時、僕は自分が使いたい放題使える何十億という大金を持つ一方、実際の社会で通用するスキルは何ひとつない人間に成長してた。これって正直かなり恐ろしいことだよね。20歳で僕はみんなが考え得る最悪の選択をしまくって、“世界で最も愛される人”から、“世界で最もバカげていて、批判されてばっかりの嫌われている人”になった。

 ある研究結果によると、ステージでパフォーマンスをすると、ほかのどんなアクティビティをするよりもドーパミンが放出されるらしい。だからステージに上がっている時と、そうじゃない時の気分の浮き沈みを自分でコントロールするのは難しかった。ツアーに出ているアーティストやバンドのメンバーがドラッグ(薬物)に走りがちなのは、ある種エンターテイナーの宿命というか、感情のアップダウンを自分でどうすることもできなくなった結果なんじゃないかと僕は思ってる。

 19歳でかなり中毒性の強いヘビーなドラッグにハマった。(薬物使用の影響で)その頃に経験した恋愛はすべて破綻した。つねにイラついていて、女性に対してものすごく失礼で、怒ってばかりだった。次第に僕のことを愛してくれる人たちと距離を置くようになり、自分という殻に閉じこもるようになっていった。この状況を一転させることは無理だと感じていた。数々の最悪の決断によってどん底に落ちたところから立ち直り、破綻した人間関係を修復し、人との接し方を変えるのに何年もかかった。

 幸運なことに、神はありのままの僕を愛してくれる最高の人たちを、僕のもとに遣わしてくれた。そして今、僕は人生で最高のシーズンに導かれている。“結婚”さ!結婚は僕に新たに課せられた最高の責任なんだ。(結婚生活を通して)忍耐、信用、約束、優しさ、謙遜といった、良い人間になるために必要なことを学んでいる。

 これまでのすべての経験から言えるのは、たとえ勝ち目がないと思っても戦いをやめないこと。神は君を愛してる。つねに親切であること、そして今日を強く生きぬき、君の基準ではなく神が何の見返りも求めず人々に無償の愛を注ぐように、人を愛すんだ」

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Hope you find time to read this it’s from my heart

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 若くして成功するも、途中で道を踏み外してしまったジャスティンだが、そこからなんとか立ち直って再び人々から称賛され、愛されるアーティストに。

画像: つい最近撮影されたジャスティンの写真。

つい最近撮影されたジャスティンの写真。

 現在、心身の健康を優先させるために音楽活動はセーブしているが、昨年、お互いに10代の頃から付き合いがあったモデルのヘイリー・ビーバー(旧姓ヘイリー・ボールドウィン)と結婚したことで、以前にも増して安定した生活を送っている。(フロントロウ編集部)

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