詐欺事件に発展した音楽フェスティバル
2017年4月に、小型ジェット機でしか上陸できないバハマ諸島のファイア・ケイという島で初開催された「ファイア・フェスティバル」は、ラグジュアリーな音楽フェスティバルという売り込み文句で、そのPR動画にはトップモデルのケンダル・ジェンナーやエミリー・ラタコウスキーなどが大集結。さらに、フェスのヘッドライナーは人気ラッパーのカニエ・ウェストが設立したレーベル「G.O.O.D. Music」のアーティストたちという豪華さで注目を集めた。
バハマ諸島に浮かぶ島での豪華音楽フェスとあって、そのチケット代も約16万5,000円~約132万円と超高額だった。しかし、いまだかつてないラグジュアリーなフェスというマーケティングが功を奏して、チケットはすぐさま売り切れた。
しかしいざフェスが開始されてみると、宿泊エリアにはただの簡易テントが立ち並び、食事もパンにチーズが乗っただけのものにちょこんと添えられたサラダという悲惨さ。ネット上では、想像とかけ離れたフェスを前に泣き崩れたり激怒したりした参加者が動画を拡散し、そんな状況を知った出演予定のシンガーたちが次々と出演辞退。ファイア・フェスティバルは開催初日で中止となる事態に。
そして2017年7月には、主催者の1人ビリー・マクファーランドが詐欺の容疑で逮捕され、6年間の実刑判決が下された。
モデルたちが訴えられる
そんな騒動から約2年が経った今、破産手続きを進めているファイア・フェスティバルの管理人が動いた。
今回、団体側が、ケンダルをはじめ宣伝に関わったモデルやインフルエンサーと、ミーゴスをはじめとした出演アーティストたちのブッキングをした会社にギャラの返納を求める裁判をニューヨークで起こした。
裁判所に提出された資料によると、ケンダルには1回のインスタグラム投稿で約3,000万円が支払われ、エミリーの所属事務所には約3,300万円が支払われたという。
さらに、パフォーマンス部門では、ミュージシャンのミーゴズ、リル・ヨッティ、ブリンク182、プシャ・Tの各事務所に3,900万円から8,000万円程度のブッキング費用が前払いで支払われたとして、払い戻しを求める訴状が提出された。(フロントロウ編集部)