『リトマ』ロブ・マーシャル監督と面談はしていた
ハリー・スタイルズは、所属するボーイズグループ、ワン・ダイレクションが無期限の活動休止に入って以来、名匠クリストファー・ノーラン監督が手がけた戦争映画『ダンケルク』に出演するなど、ソロシンガーとしてのキャリアと並行して俳優業にもチャレンジしてきた。
そんなハリーに、ディズニーから声がかかった。その作品とは、ヒロインのアリエル役が黒人の血を引く若手シンガーのハリー・ベイリーに決まったことで素晴らしいリアクションを受けている、ディズニーの名作アニメ『リトル・マーメイド』の実写化作品。アリエルの相手役となるエリック王子役で出演してほしいとのオファーが舞い込んだのだが、ハリーは、なぜかこれを丁重に辞退。
『リトル・マーメイド』のロブ・マーシャル監督と面談までしていたそうだが、ハリー自身は、2019年に英カルチャー雑誌The Faceで、「たくさん話し合った結果だよ。僕は音楽を世に送り出したいし、しばらくは音楽活動に専念しようと思ってる」と、当分の間は音楽に全力を注ぎたいため、演技の仕事は断る事にしたと明かした。一方で、「でも、(『リトル・マーメイド』の制作に携わる)皆さんは本当に素晴らしい人ばかりだし、絶対に素敵な作品になると思う。僕もきっと、観たらすごく楽しめると思う」と、自身は出演しないものの、作品自体は素晴らしいプロジェクトだと念押しした。
ただ、ハリーと言えば、来日ツアーなどの音楽活動を成功させながら、1950年代の同性愛者への迫害、裏切り、自由の発見などをテーマにした2022年の映画『僕の巡査』や、2022年のフェミニスト映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』など、俳優活動も続けている。『リトル・マーメイド』をやる時間はなかったのだろうか? それについて、ロブ・マーシャル監督が2023年にEWでこう説明した。
「彼と会いました。素敵な人でした。でも結局のところ、彼は、結果的に出演したような、もっとダークな映画をやりたいと思っていたのです」「ハリーのような若いミュージシャンの多くは、自分の道を切り開こうとしていて、必ずしもシンガーとして見られることを望んでいない。 だから彼は、自分を伸ばすために、音楽のジャンルではないものをやりたいと考えていたんです」
ミュージシャンであるハリーが進みたい方向は、ミュージカルではなかった。そう明かしたマーシャル監督は続けて、「しかし、結局のところ、物事にはそうなる理由があるのだと思っています。若くて新しい2人がこの映画に出演してくれて、本当にうれしいです」コメント。監督が言うように、アリエル役のハリー・ベイリーと、エリック王子役に抜擢されたジョナ・ハウアー・キングというペアの相性と演技に今から期待が膨らむ。(フロントロウ編集部)