Photo:ニュースコム、(C)2019 Twentieth Century Fox、スプラッシュ/アフロ
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』などのタイカ・ワイティティ監督の最新作『ジョジョ・ラビット』が、第44回トロント国際映画祭で初公開。第二次世界大戦下のドイツを舞台とした壮大なヒューマン・エンターテイメントを描いた。(フロントロウ編集部)

『ジョジョ・ラビット』ワールドプレミアでついに公開

 『マイティ・ソー バトルロイヤル』を監督し、その続編である『マイティ・ソー ラブ&サンダー』の監督が決まっているタイカ・ワイティティ監督の衝撃作がついに公開。今作では「ナチス」という重いテーマを主軸にした。

画像: 映画『ジョジョ・ラビット』特報 www.youtube.com

映画『ジョジョ・ラビット』特報

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 舞台は第二次世界大戦下のドイツ。心優しい10歳の男の子ジョジョは「ヒトラーユーゲント」と呼ばれる青少年団に入り、立派な兵士になろうと奮闘していた。
 そんな彼を勇気づけるのはなんと、脳内のお友達であるアドルフ・ヒトラー。空想のヒトラーは具現化し、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョを慰めてくれる。
 ヒトラーは当時「ナチス党」という政党を作り、独裁政権を強いていた。ナチス党はユダヤ人を不当に差別し虐殺。全世界を第二次世界大戦という大混乱へと導いた。
 しかし、そんな事実を当時は考えもしなかったのだろう。少年ジョジョは頭の中のヒトラーと友達だった。そんなある日、母親とふたりで暮らしていたジョジョは、家の片隅に隠された小さな部屋で、ユダヤ人の少女がこっそりと匿われていることに気づく。ジョジョの頼りとなるのは、ちょっぴり皮肉屋で口うるさいヒトラーだけ…。臆病なジョジョの生活は一体どうなってしまうのか!?

 ブラック過ぎるとも取られそうな本作は、トロント国際映画祭での上映後「ブラボー!」という掛け声とともに、2分間ものスタンディング・オベーションで迎えられた。

 プレミア当日のレッドカーペットには大勢のマスコミ陣、熱狂的な映画ファンたちが集結し、観客からは「タイカ!タイカ!」というアツいコールが。

画像: サインするワイティティ監督

サインするワイティティ監督

 ワイティティ監督は、「第二次世界大戦の時代が舞台となっていて、シリアス要素もある作品です。僕らは物語を語り続け、お互いに心に留めておかなければならない。過去に何が起きて、将来何を起こしてはならないのかということをね。」とコメント。

画像1: 『ジョジョ・ラビット』ワールドプレミアでついに公開

 さらに続けて、「それを語るために、過激さとコメディ要素を入れてチェンジアップして描いてみたんだ。そのひとつとして、アドルフを親しみやすいキャラクターとして演じることができたのは嬉しかったよ。そして、ジョジョを演じたローマンはとても繊細で素晴らしい役者だった」と本作に込めた想いを熱く語りながら、主人公に抜擢した子役のローマンのことも絶賛した。

 ジョジョの母ロージー役のスカーレット・ヨハンソンは「脚本を読んで感激したわ。ユニークな見方をしていて、想像と全く違う物語になっていたことに驚いたわ。この映画は、心に響き、人間性に溢れた作品に仕上がってる。誰もが作れる映画じゃないわ」とワイティティ監督の類まれなる才能をプッシュした。

画像2: 『ジョジョ・ラビット』ワールドプレミアでついに公開

 ワイティティ監督は、このセンシティブすぎる題材をコメディに仕立て上げたことについて、以下のように説明している。

「毎日、毎週、何気なく気がづく小さな間違いを、大したことではないと見過ごしていると、気がついた時には既に手遅れになり恐ろしい結果を招く。大したことではないから、と見過ごし、小さいから、少数派の言っている事だから、と放置していると、過去の世界大戦の大惨事のような事が、全く同じように起こり、取り返しのつかない過ちが起こってしまう。無知をそのままにして、忘れてしまう傲慢さこそ、人間の罪で過ちなんだ。この出来事を決して忘れないために、何度も何度も、語り継ぐ事がとても大切だし、私たちがどのように成長し、愛情を持って力を合わせて進んでいくのか、どのような未来を作り上げるのか、同じ物語を様々な手段で自分たちそして次の世代に語り継ぐ事が私たちの役割だし大切な事だと考えている」

監督は、本作は『ケージング・スカイ』という小説から着想を得たという。

トロント国際映画祭でのキャストたちの様子は?

 監督・脚本を務め、アドルフ・ヒトラー役を自ら演じたタイカ・ワイティティはチェックのダブルスーツでかっこよくキメてレッドカーペットに登場。主人公のジョジョ役で俳優初挑戦の少年のローマン・グリフィン・デイビスはオールブラックの大人っぽい装い。

 ユダヤ人の少女エルサ役のトーマシン・マッケンジーはルイ・ヴィトンの真っ赤なブラウスとタイトな黒のワンピースに身を包み、ジョジョの母ロージー役のスカーレット・ヨハンソンはニューヨーク発祥のブランド「ロダルテ」の煌びやかなゴールドワンピースに身を包んだ。

画像: トロント国際映画祭でのキャストたちの様子は?

 さらに、ヒトラーユーゲントの教官役サム・ロックウェル、ロックウェル演じる教官に従う次官役のアルフィー・アレン、ナチスの秘密警官ティエルツ大尉役のスティーヴン・マーチャントらがレッドカーペットに登場した。

トロント国際映画際とは?

 トロント国際映画祭は、カナダのトロントで開催される映画祭。その規模は、ヴェネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭に次ぐものだといわれている。トロント映画祭の最高賞は観客賞(ピープルズ・チョイス・アワード)。作品を鑑賞した一般の観客の投票によって決められ、アカデミー賞作品賞にもっとも近い賞としても有名。

画像: トロント国際映画際とは?

 過去の受賞作には映画『グリーンブック』や映画『スリー・ビルボード』といった、各年の賞レースを席巻し日本でも大きな話題となった名作たち。今回のワールドプレミア上映で大喝采&高評価を浴びた本作『ジョジョ・ラビット』の受賞のゆくえと、今後の賞レースにおいての健闘にもますます期待が高まっている。

 本作で、トロント国際映画祭初出品となったワイティティ監督は、初受賞の快挙となるだろうか。(フロントロウ編集部)

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