12歳の頃から「調教」された
ディズニー・チャンネル出身で人気ボーイズグループ、フォーエバー・イン・ユア・マインド(Forever In Your Mind)のメンバーとして活動する俳優のリッキー・ガルシアが、前マネージャーのジョビー・ハートから十数回にわたってレイプや性的暴行を受けたとして、ハート氏と彼が運営するホット・ロック・メディア、そのほか複数名の音楽業界関係者を2019年に告訴した。
米TMZおよびPeopleが入手した訴状の中で、ハート氏による性的暴行はリッキーがまだ12歳だった頃から始まったとされている。「ハート氏により“性のオモチャ”となるよう調教され、彼の音楽業界の友人たちの間で“回されました”」と告白した。
2014年、ハート氏に招待された「作曲合宿」と称したカタリーナ島への旅行にメンバーたちと保護者抜きで参加したリッキーは、宿泊先でハート氏にポルノを見せられ、記憶が無くなるまでテキーラなどの酒を飲まされ、翌朝、全裸の状態で起床。隣で寝ていたハート氏に一体何が起きたのかと尋ねると、吐しゃ物で服が汚れたため脱がせたと説明されたという。
16歳になる頃には、毎週のようにハート氏から性的暴行を受けていたというリッキー。さらに、17歳の誕生日にホテルの部屋でシャワーを浴びていたところ、ハート氏が入って来て、自慰行為を強要されたとも供述している。
リッキーの弁護士による記述には、「ハート氏は、経済的・精神的に不安定な10代前半の子供やその両親をターゲットにし、小児性愛者がよく行なう調教と誘惑の手口を行使しました。彼は被害者の子供の母親に対し、息子の成功を約束することで、それらの行ないを表沙汰にしないよう仕向けました」という文も含まれており、ハート氏がリッキーの音楽業界での成功をエサに、彼の母親の口を封じようとしたとも主張している。
リッキーは、2014年に性的なコメントをし、彼のつま先を舐めたとして前エージェントの男性も提訴。さらに、2016年に行なったコンサートの会場で衣服の上から性器を掴まれたとして、別の男性マネージャーも訴えている。
誰にも言い出せなかった...ファンにメッセージ
キャリアを失うことを恐れ、ハート氏からの度重なる性的暴行について、誰にも言い出せなかったというリッキー。
2018年の3月に初めてハート氏のアシスタントにすべてを話し、それをアシスタントがリッキーの母親に伝えたことで疑惑が明るみになったが、当時、ハート氏は「単なる悪ふざけ」だと一蹴。「大人としてあるまじき行動だった」と認めたものの、ハート氏の行ないが公になることはなかった。
2019年9月にロサンゼルス最高裁に訴状を提出した翌日、リッキーはインスタグラムに長文コメントを投稿。周囲のサポートのおかげで告訴を決意したと明かした彼は、自身と同じ様な境遇にある人々にエールを送った。
「今日は人生で一番困難な1日だった。家族、友人、ファン、そして神様の支えがあったからこそ、僕は、幼い頃から自分に性的虐待を行なってきた業界の重役たちに対して声を上げることができた。悲しいことに、同じような体験をしている人がたくさんいることを僕は知ってる。性的虐待を経験したほかの人たちが、僕の行動を通じて、彼らが決して1人ではないということを理解し、世の中には彼らのために戦ってくれる人がたくさんいるということを知ってくれたらと願ってる」
この投稿に添えられたコメントでは、「もちろん自分を苦しめた人物に制裁が下って欲しいという思いはあるけど、それよりも、僕のような思いをしている人に、自分の体験について誰かに話したり、声を上げて欲しいという思いもある」と語ったリッキー。彼のメッセージにはたくさんのファンたちが勇気を称えるコメントや応援のコメントを寄せた。
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