『アナと雪の女王2』で、前作に続きまたもや主人公エルサの「恋愛」が描かれない理由に妙に納得してしまう。(フロントロウ編集部)

「真実の愛」のカタチ

 11月に日米同時公開されるディズニー映画『アナと雪の女王2』(以下『アナ雪2』)。

 2013年に公開され、大ヒット曲「レット・イット・ゴー」をはじめとする数々の名曲を生み出した前作『アナと雪の女王』に続き、触れるものを雪や氷に変えてしまう不思議な力を持つ女王エルサと妹のアナの姉妹の絆や仲間たちとの新たな冒険を描く同作は、続編制作の第一報が伝えられて以来、ファンたちの大きな期待と注目を集めてきた。

 前作では、妹アナの恋は描かれたものの、雪の女王となったエルサの恋愛は描かれず、ディズニー作品としてはめずらしく、“主人公が恋をしない”という設定が新鮮だと好評に。

 過去に公開されたディズニー作品で共通して描かれてきた「真実の愛」は、必ずしも異性間や恋愛をしている人物たちの間にだけ生まれるものではなく、姉妹であるエルサ&アナのように、家族や友人など、お互いを思いやる者同士の間にも存在するものであると印象づけた。


続編でもエルサの「恋愛」は描かれない

 前作で恋愛模様が描かれなかっただけに、続編となる『アナ雪2』では、「今度こそ、エルサの恋愛が描かれるはず」とファンたちは期待。

 さらに、秘密を抱えて生きるエルサがそれを受け入れ、オープンにした時に幸せを手に入れる姿がLGBTQ+の若者たちが抱える悩みに似ているという理由から、世間では「エルサをディズニー初の同性愛者のプリンセスとして描いて欲しい」という声が続出。

 このアイディアは、「#GiveElsaAGirlfriend(エルサにガールフレンドを)」というハッシュタグと共に拡散され、主人公のエルサとアナの声を担当したキャストたちも賛成のコメントを述べるほどのムーブメントとなった。

画像: エルサの声を担当した女優のイディナ・メンゼル(写真左)は「個人的には賛成よ。素晴らしいアイディアだと思うわ。こういう会話がなされていること自体が素晴らしい」と発言。アナの声を務めた女優のクリスティン・ベル(右)も「エルサが望むものがなんであれ、すべては彼女次第ってことよ。そして、それを支持するかどうかは、私たち次第だわ」と肯定的なコメントをした。

エルサの声を担当した女優のイディナ・メンゼル(写真左)は「個人的には賛成よ。素晴らしいアイディアだと思うわ。こういう会話がなされていること自体が素晴らしい」と発言。アナの声を務めた女優のクリスティン・ベル(右)も「エルサが望むものがなんであれ、すべては彼女次第ってことよ。そして、それを支持するかどうかは、私たち次第だわ」と肯定的なコメントをした。

 しかし、前作に続き続編でも共同監督を務めるジェニファー・リーは、今年2月に行なわれた記者たちを招いた会見の場で、そういった世間からのリクエストは制作陣の耳にしっかりと届いているとしながらも、続編でも「エルサに恋愛相手は登場しません」と断言。

 その理由について、リー監督は、「前作と続編は2つで1つの作品だと思っている」と前置きしたうえで、米Entertainment Tonightに改めて説明した。

「この映画の制作にあたり、私たちは、それぞれのキャラクターたちの思考や感情について書き出すのに膨大な時間を費やし、さらに綿密な性格診断も行いました。その結果、エルサという女性は恋愛ができるような状況にはまったく無い人物だということがわかりました。彼女は、たくさんのプレッシャーにさらされ、王国の重みを背負い、自らの特別な力を求める声にも戸惑いを感じています。そんな状況に置かれたエルサが誰かと恋愛をするという展開は、私たちが考えるストーリーの方向性にはフィットしなかったのです」

 つまりエルサは、自らが持つ不思議な力を上手く制御し、王国を危機から救うことで頭がいっぱいで、「恋愛どころではない」ということのよう。

 エルサというキャラクターの人格を研究しつくしたリー監督率いる制作チームが、エルサを自分に与えられた使命も恋愛も、何でもかんでも上手くやってのける“ありがちなスーパー・ヒロイン”として描かず、あえて現実的な路線を歩ませたところには、なんだか好感が持てる。

 『アナ雪2』の物語の全貌がいまだトップシークレットとして扱われるなか、早めの段階で、“エルサの恋愛は描かれない“という、ある意味ネタバレとも言える事実を明かしたリー監督。その背景には、エルサの恋愛については語られなくとも、それ以上に面白い物語を用意しているという大きな自信があるからなのかもしれない。


「レット・イット・ゴー」超えなるか? 新曲が公開!

 劇中歌の「レット・イット・ゴー」がアカデミー賞歌曲賞ほか数々のアワードを受賞するなど、音楽面でも大成功を収めた前作。その功績をさらに上回るべく制作された『アナ雪2』のサウンドトラックが、映画の公開から1週間前の11月15日にリリースされることが発表された。

 カントリー・シンガーのケイシー・マクグレイブスやロックバンド、パニック・アット・ザ・ディスコ、ウィーザーといった人気アーティストらも参加するサウンドトラックから、エルサの声を担当する女優のイディナ・メンゼルが歌うメイン楽曲「イントゥ・ジ・アンノウン(Into the Unknown)」の一部がMVとともに解禁。幻想的でパワフルなサウンドに早くも世界中のファンたちが魅了されている。

 エルサが妹アナたちとともに自身が持つ不思議な力の起源を探る旅に出る『アナと雪の女王2』は、11月22日に公開。(フロントロウ編集部)

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