ディス発言に反論
マーティン・スコセッシ監督、フランシス・フォード・コッポラ監督といった映画界の重鎮たちがマーベル作品について否定的な見解を口にしたことに対して、映画『マイティ・ソー』シリーズに出演する俳優のナタリー・ポートマンが異論を唱えた。
2011年公開の『マイティ・ソー』、2013年公開の『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』にジェーン・フォスター役で出演し、2021年に公開される待望のシリーズ最新作『ソー:ラブ・アンド・サンダー(THOR: LOVE AND THUNDER)』では、女性版ソーへと進化を遂げるジェーンを再演することが発表されているナタリー。
米Hollywood Reporterとのインタビューで、2人の大物監督たちがマーベル作品を「映画ではない」、「卑劣だ」と表現したことについて話題を振られると、「どんな映画にだって存在する余地はあると思うわ。芸術をつくるのにたった1つの方法しかない、なんてことは無いもの」とコメント。
さらに、マーベル作品が人々に愛される理由について、こう持論を展開した。
「マーベル映画が人気なのは、本当に面白くて、人々がそういった娯楽を強く求めてるからだと思う。仕事で疲れて帰ってきた後や、日常生活での困難に立ち向かっているとき、みんなが求めるのは、そういうものなんだと思うわ」
物事を深く考えさせられる叙情的、芸術的な作品は、もちろん素晴らしいけれど、気楽に観て泣いたり笑ったりできるスーパーヒーロー作品のほうが、忙しい現代人にとってはとっつきやすいもの。
ナタリーの言う通り、世の中にはさまざまな映画が存在すべきで、何を選ぶかは、その人の好みやその時の気分次第。大物監督たちが強いこだわりを持つ、何をもって作品を“映画”と呼ぶかという定義は、観客たちにはさほど関係のない話なのかもしれない。
マーベル作品への批判には『アイアンマン』&『アベンジャーズ』シリーズのロバート・ダウニー・Jr.をはじめ、数々のキャストたちが反発するリアクションを見せている。
最近では、『キャプテン・アメリカ』シリーズでウィンター・ソルジャーことバッキ―・バーンズを演じた俳優のセバスチャン・スタンも、「作品を観た人たちは、『ありがとう』、『この映画に救われた』、『この映画のおかげで気分が晴れた。孤独を感じなくなった』とよくお礼の言葉をかけてくれる。それって、マーベル映画が人々の助けになってるってことなんじゃないの? 」と、米テキサス州で行なわれたファンイベントでコメントして、ディス発言をしたコッポラ監督のコメントに反論し、マーベル作品の存在意義を熱く語った。
(フロントロウ編集部)