レバノンで続いている反政府デモが、1人のDJの登場によりフェス状態となった。レバノン各地のデモが、音楽的な広がりを見せている。(フロントロウ編集部)

「フェス状態」になるレバノンの反政府デモ

 中東の国レバノンでは、10月中旬から、国民による反政府デモが続いている。

 政府が、無料通話アプリのWhatsApp(ワッツアップ)に毎月課税すると決定したことを発端に、長年にわたる国民の怒りが爆発。デモを通して、政府に対する怒りをあらわにする民衆だけれど、レバノン流抗議活動はかなり“音楽的”になっているよう。

 先日、レバノンの第2の都市タラーブルスでも大規模なデモが行なわれていた。しかし国民の様子が、なんだかノリノリ…? 政府に対抗する国民が見つめる先には、なんとDJとして活動するマハディ・カリーメの姿が!

 デモにDJという形で参加し、広場を一丸とさせたマハディは、「私たちは、平和な方法で抗議しようとしているんです。戦いや、宗派などなく」と、米Reutersに語る。

 デモに参加していた女性は、「彼は、1つの音楽、1回の手拍子、1つのスピーチで、人々を団結させています。彼はこの革命のなかで、人々をより強くしています。彼は、人々(の力)に拍車をかけていますよ」と、マハディの活動を称えた。

画像: 「フェス状態」になるレバノンの反政府デモ

デモ参加者達が「あの曲」で赤ちゃんをあやしたことも

 レバノンの首都ベイルートでも、反政府デモは続けられている。しかし赤ちゃんにとっては、デモの現場は怖かったよう。

 10月下旬にデモの近くを通りがかった車には、1人の赤ちゃんが。デモに怯えてしまった赤ちゃんをあやそうと参加者が歌い始めたのは、なんと、大人気の幼児向け楽曲「サメのかぞく(Baby Shark)」。大人たちが振り付けつきで歌う様子は、それもまたなかなか怖いような気もするけれど、赤ちゃんは泣き止んだよう。

 しかも、これがきっかけとなり、デモ参加者の間ではたびたび「サメのかぞく」が流されることとなった。

レバノンでなにが起こっている?

 中東の国レバノンは、シリアとイスラエルに隣する国。

 第二次世界大戦後は金融や観光で経済を急成長させ、「中東のパリ」と評されるほどの観光地となっていたけれど、宗教間の対立により、1975年にレバノン内戦が勃発。その後も様々な内戦を経験したレバノンは、今なお政治と宗教が密接に関わっており、18の宗教・宗派ごとに議会の定数が決められている。大統領はキリスト教マロン派、首相はイスラム教スンニ派、国会議長はイスラム教シーア派の人物が務める。

 政治エリートしか政治に参加できない状況になっているレバノンは、経済格差が厳しく、インフラ整備もままならない。

 そんななか、10月16日に政府が無料通話アプリWhatsApp(ワッツアップ)に毎月課税すると決定。長年にわたる政府に対する不満が爆発した国民によって、17日より大規模なデモが各地で勃発。29日にはサード・ハリリ首相が辞意を表明したけれど、政府に不信感を抱く国民のデモは、依然として続いている。(フロントロウ編集部)

この記事を気に入ったら、「FRONTROW」のfacebookページをいいね!する

This article is a sponsored article by
''.