マーベルに戻る条件は
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画で、『キャプテン・アメリカ』シリーズと『アベンジャーズ』シリーズに出演し、約10年間キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)を演じたクリス・エヴァンス。
クリスが演じたキャプテン・アメリカは、ロバート・ダウニー・Jr.が演じたアイアンマンとの一筋縄ではいかぬ関係で、映画のストーリーをより複雑に、より人間味の溢れるものにした。
『アベンジャーズ』シリーズ完結編である映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、他者のために戦い続けたキャプテン・アメリカがついに“ヒーローを卒業”し、クリスも事実上キャプテン・アメリカ役を卒業。
そんなクリスが、再びキャプテン・アメリカおよびスティーブ・ロジャースを演じる可能性はあるのか。クリス本人が複雑な胸の内を米Varietyに明かした。
クリスは、今後マーベルに戻ってくるつもりはあるのかという質問に、「もう僕も“おじさん”だからね…」とつぶやくと、「(ケガの)回復が昔とはもう違う。(シワを隠すために)メイクを厚塗りにしなきゃいけないね(笑)」と、再びヒーロー映画に出演するには年齢的に厳しい部分があると吐露。
しかし、「ちゃんと質問に答えてなかったね」と切り返したクリスは、マーベルにカムバックすることは「ありえないとは言わない。キャラクターが大好きだし…」「うーん…、わからない」とし、「断固としてノーというわけではないけど、待ち望むイエスでもない」と、慎重に言葉を選びながら心情を明かした。
「心配なのは…、(マーベル・スタジオの)制作陣は、キャップの複雑なストーリーに上手い着地点を見つけて、彼の冒険を完結させたと思う。だからこそ、お金目的や観客が喜ぶからというだけで、もう一度登場させるのは違うと思うんだ。何かを明かすなり、物語に加える要素がなければいけない。そのうち忘れられるような小さな作品にはしたくない。だから(もう一度キャプテン・アメリカを演じるには)たくさんの労力が必要になるだろうね」
そう語ったクリスは、キャプテン・アメリカを演じたすべての思い出を「大事にしたい」という思いから、「素晴らしい時間だったし、役を引き受けた時は見込みもなくて、何回もノーと言った。何百回も失敗したり批判されたり、後悔したりする可能性もあったけど、そうならなかった。そのリスクを背負い続けると、ここで留めておこうと思うようになる」と、大きな期待が膨らむ作品へと成長した今、期待に超えることへのプレッシャーを感じていることも示唆した。
「でも、マーベルの良いところは、(中略)お金目的で作品を作らない。彼らは思いやりがある。成功するからといって何でもかんでもするようなことはしない。そういう意味では、どうなるかは誰も分からないよ」と希望を残しつつ、キャプテン・アメリカとマーベルへの溢れんばかりの愛を打ち明けた。(フロントロウ編集部)