グラミー賞シンガーのビヨンセが、自身の成功についての考えを明かした。(フロンントロウ編集部)

ビヨンセが語る「成功」について

 2016年にトップショップ(TOPSHOP)のオーナーであるフィリップ・グリーンとアスレジャーブランドであるアイヴィー・パーク(Ivy Park)を立ち上げ、その後2018年にはアイヴィー・パークを100%自分自身のものにするためにフィリップから買い取り、黒人女性初のアスレジャーブランドの単独オーナーとなったビヨンセ

 2020年1月18日に新生アイヴィー・パークが誕生する前に、ビヨンセは米Elleのインタビューで、事前にファンから募った質問に答えた。

 そのなかで、アルバム『レモネード』やドキュメンタリー『HOMECOMING ビヨンセ・ライブ作品』が主要なアワードを受賞していなことをどう思っているか?と聞かれたビヨンセは、「自分が必要としているとは思ってもいなかった教訓を人生が与えてくれたとき、そのもっと深い意味について考えはじめたの。今の私にとって成功は違う形で見えるの。実のところ全ての痛みや損失が贈り物なんだということを学んだ」と回答。

 賞を受賞するという分かりやすい"成功"に縛られるのではなく、そういった作品を作る過程で得た痛みや損失からの学びこそ真に大切なんだと説いたビヨンセ。

 そして続けて、「自分が必要としているとは思ってもいなかった教訓」についてあげ始めた。まず、「流産を経験したことで、誰かの母親になる前に自分自身の母親にならなければいけないことを知った。それからブルー・アイヴィーを授かり、自分自身の目的の探求はさらに深くなったわ」と、流産の経験に言及。

 じつは、ビヨンセは、ブルー・アイヴィーちゃんを妊娠する前に流産をしていた。流産について話すのは、これが初めてではなく、ドキュメンタリー番組『ライフ・イズ・バット・ア・ドリーム』の中でも語っており、流産はこれまでの経験の中で最も悲しい出来事で、スタジオにこもって、これまで作ってきた曲の中で最も悲しい曲を作ったと明かしている。その経験を経てビヨンセは、2013年に第一子であるブルー・アイヴィーちゃんが誕生し、2017年には双子のルミちゃんとサー君を出産し、現在は3児の母に。

 続けて、「結婚生活のなかで私は一度死に、そして生まれ変わった。そのおかげで、自分自身の探求がさらに強くなったの」と、2014年に起きた夫でラッパーのジェイ・Zの不倫&離婚秒読み騒動を乗り越えた自分を振り返った。

 そして最後に、「私にとって退化は受け入れがたいこと。No.1は私にとって最優先事項ではない。私にとって真の勝利は、私より長く生きるアートとレガシーを作ること。それが私を満たしてくれるの」と語り、自分の中で様々な経験を通して考え方が変わったということを答えた。

 2008年にリリースした大ヒットアルバム『アイ・アム…サーシャ・フィアース』では、2010年のグラミー賞で主要部門を含む6部門を受賞と、まさにビヨンセイヤーだったが、最近では目立った賞を受賞していないのは確か。

画像: 2010年のグラミー賞で受賞スピーチを行なうビヨンセ。

2010年のグラミー賞で受賞スピーチを行なうビヨンセ。

 しかしながら、ここでビヨンセが真の勝利と言うように、2016年にリリースされた『レモネード』には、彼女の黒人としての誇りと、女性として生きるというレガシーが反映されており、多くの女性や黒人たちの力になり、評価された。

 一度頂点に立ったが、今は様々なことを経験して「成功」という言葉が違う形で見えるようになったビヨンセ。本当の勝利や成功とは何かを教えてくれる機会となった。(フロンントロウ編集部)

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