どんな授賞式?
ゴールデン・グローブ賞は映画とテレビの祭典
ゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)は、1943年から続く映画とテレビの祭典で、アカデミー賞より前に開かれる。
1月1日から12月31日までにアメリカのロサンゼルスで公開された映画、および19:00~23:00のプライムタイムに放送されたテレビ番組が対象となり、翌年の1月に受賞者が発表される。
2020年1月6日に開催される第77回ゴールデン・グローブ賞のノミネート作品は2019年の12月9日に発表され、動画配信サービスのNetflixによるオリジナル映画が猛威を振るい、『マリッジ・ストーリー』、『アイリッシュマン』、『2人のローマ教皇』の3作品がノミネートしたことで話題。
ゴールデン・グローブ賞は全部で27の部門があり、作品賞や脚本賞、主演・助演男女優勝などに分かれている。
アカデミー賞は映画のみ
アカデミー賞(Academy Awards)は1929年に始まり、会期はゴールデン・グローブ賞よりわずかに遅い2月~3月。
選考の条件は、賞の前年の1年間にアメリカのロサンゼルス郡で7日間以上有料公開された40分以上の作品で、劇場公開される前にテレビやDVD、インターネットでの配信をしてはいけない、などの選考条件がある。
次回のアカデミー賞は、2020年1月13日にノミネートが発表され、2020年2月10日に受賞作品が発表。
ちなみに2019年は映画『グリーンブック』が作品賞、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックが主演男優賞を受賞した。
アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の部門数は25前後と大差はないけれど、ゴールデン・グローブ賞はテレビ作品も入るため、映画の部門の割り振りはアカデミー賞に比べてシンプル。アカデミー賞は、撮影賞や録音賞、視覚効果賞など、映画の裏方も称える賞が細かく存在する。
受賞作品を選ぶ人は?
ゴールデン・グローブは選ばれたジャーナリストが投票
ゴールデン・グローブ賞で投票権を持っているのは、ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)のメンバー。ハリウッド映画を報道するために、アフリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、中東などを含む55か国のジャーナリストで構成されており、2019年の会員数は87人。
会員たちは、なんと1年中、映画の試写状が届けられるうえ、時にはサンプルDVDが家に届けられる。
毎年2月と3月に新しいメンバーが迎え入れられるが、毎年国際的な出版物に記事を4本以上書いていないとメンバーには入れない、非常に狭き門。
アカデミー賞は数千人の業界人による投票
対するアカデミー賞の受賞作品を選ぶのは映画芸術科学アカデミーの会員で、現在の会員数はなんと約8,700名。全員が映画制作に関わっている業界人で、俳優、監督、脚本家、映画スタッフ、プロデューサーなど「映画産業に貢献した人」が世界中から選ばれる。
ティモシー・シャラメやデイジー・リドリー、クリステン・スチュワートやエル・ファニングなど若い世代からも選ばれており、日本からは菊地凛子や真田広之、園子温なども招待されている。
投票は会員たちによる無記名投票で、評論家やジャーナリストではなくハリウッドの映画関係者が投票を行うため、アメリカの世相や情勢が反映されることが多い。
トロフィーや会場の違いは?
ゴールデン・グローブ賞は1400人規模
ゴールデン・グローブ賞受賞者は、映画フィルムを模した模様が張りついた黄金の地球儀をトロフィーとしてもらうことができる。
会場はビバリー・ヒルズホテルで、招待客は約1,400人。
アカデミー賞は3400人規模
対するドルビーシアターで催されるアカデミー賞のトロフィーは、裸の男性がモチーフとなった“オスカー像”。実はこの像、正式な名称はなく、1933年に使い始めた「オスカー」という名前がそのまま伝わってきているそう。
世界三大映画祭(ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭)よりも歴史が長いと言われるアカデミー賞は、招待客は約3,400人とショーの規模も最大級。
2019年もあと少しとなり、来る2020年のゴールデン・グローブ賞授賞式は、1月6日に迫ってきている。(フロントロウ編集部)